次頁第3節 9月2日及び4日の竜巻等
3－1 災害の状況
9月2日、関東地方には九州北部から伸びる前線が停滞しており、この前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込んでいた。さらに、日中の地上気温の上昇が加わり、大気の状態が非常に不安定となった。こうした中、発達した積乱雲に伴い、埼玉県さいたま市、越谷市、松伏町、千葉県野田市及び茨城県坂東市にかけて竜巻が発生した。この竜巻は、風速は毎秒50～69メートルに達した（藤田スケールのF2）と推定された。
また、9月4日、高知県宿毛市、同安芸市で、それぞれ風速が毎秒17～32メートル（F0）、栃木県鹿沼市から宇都宮市、塩谷郡塩谷町から矢板市で、それぞれ風速毎秒33～49メートル（F1）、三重県伊勢市から小俣町において、風速毎秒17～32メートル（F0）の竜巻が発生した。
さらに、9月7日、北海道苫小牧市で風速が毎秒17～32メートル（F0）に達すると推定される突風が発生した。
この災害により、重傷者7名、軽傷者60名の人的被害、全壊13棟、半壊38棟、一部破損1,478棟の住家被害が発生した。特に、埼玉県では、住家全壊12棟、半壊31棟、一部破損1,140棟の大きな被害が発生した。
ライフライン関係では、埼玉県及び千葉県において、約65,700戸で停電が発生した。通信関係では固定電話で障害が発生し、携帯電話基地局が停波した。