3 大規模広域災害と自助・共助の重要性
首都直下地震や南海トラフ地震のような大規模広域災害が発生した直後には、状況にあわせて適切な避難行動を行う等自分自身の命や身の安全を守るとともに(自助)、隣近所で協力して生き埋めになった人の救出活動を行ったり、子供や要配慮者の避難誘導を行う等地域コミュニティでの相互の助け合い等(共助)が重要になってくる。
また、東日本大震災においては、地震や津波によって、市町村長が亡くなったり、多くの市町村職員が被災する等本来被災者を支援すべき行政自体が被災してしまい、行政機能が麻痺した。このように大規模広域災害時における「公助の限界」が明らかになり、自助、共助及び公助がうまくかみあわないと大規模広域災害後の災害対策がうまく働かないことが認識された。
そこで、次章では、阪神・淡路大震災、東日本大震災等の教訓を踏まえ、「公助の限界」と自助・共助による「ソフトパワー」の重要性について主要データを用いて整理する。