次頁 2 平成23年台風第6号
（1）災害の状況
平成23年7月12日に南鳥島の南東海上で発生した台風第6号は，発達しながら西へ進んだ後北西に向きを変え，7月19日に最大風速40m/sの大型で強い勢力を保ったまま徳島県南部に上陸した。
この台風により西日本は記録的な大雨となり，高知県魚梁瀬では，日降水量が851.5mmとなり観測史上1位を更新したほか，四国地方では降り始めからの降水量が1,000mmを超えたところがあった。東日本でも24時間降水量が300mmを超えたところがあった。
この災害により，死者2人，行方不明者1人及び負傷者54人の人的被害が発生した。
また，住家被害としては，三重県及び和歌山県を中心に，住家半壊1棟，住家一部破損31棟，床上浸水28棟，床下浸水122棟等が発生した。
避難指示・勧告は，9県で計2万133世帯に出された。
土砂災害については，12県31市町村で45件発生した。
河川については，新宮川水系相野谷川で計画高水位を超えたほか，4水系4河川で氾濫危険水位を超え，6水系6河川で避難判断水位を超え，各地で浸水被害等が発生した。
ライフライン関係においては，四国電力，中国電力，関西電力，中部電力及び東京電力の管内において約20万5,400戸が停電となったほか，上水道は，静岡県において90戸が断水した。通信関係では，携帯電話基地局が停波した。
道路については，最大時で高速道路11路線，直轄国道10区間，県管理国道18区間及び都道府県道114区間で通行止めが発生した。
公共土木施設では，河川604箇所，海岸17箇所，砂防19箇所，道路（橋梁含む）426箇所及び港湾11箇所で被害が発生した。
農林水産関係では，農地528箇所，農業用施設580箇所，林地荒廃84箇所，治山施設28箇所，林道施設1,288箇所，漁港施設16箇所等に被害が生じた。
文教施設等では，国立学校施設8校，公立学校施設47校，社会教育・体育，文化施設等26施設及び文化財等23件に被害が発生した。