(1)災害の状況


1 霧島山(新燃岳)の噴火

(1)災害の状況

霧島山(新燃岳)では,平成23年1月19日から噴火が始まり,26日には多量の火山灰や軽石を噴出する約300年ぶりの本格的なマグマ噴火が発生し,次第に噴火の規模も大きくなったことから,噴石に対して警戒が必要な範囲をそれまでの「火口からおおむね1km」から「同2km」に拡大する旨の火口周辺警報を発表し,噴火警戒レベルを2(火口周辺規制)から3(入山規制)に引き上げた。1月27日以降,爆発的噴火も発生するようになり,さらに,人工衛星による観測結果から,28日に確認された火口内の直径数十mの溶岩が,30日には火口内をほぼ満たしていることが分かった。爆発的噴火によってこの溶岩が噴出した場合に発生する火砕流の影響範囲を踏まえて,警戒が必要な範囲を「火口から3km」に拡大した。2月1日に発生した爆発的噴火によって大きな噴石が火口から3kmを超えて飛散したことから,警戒が必要な範囲を「火口からおおむね4km」に拡大する火口周辺警報を発表(いずれも噴火警戒レベル3(入山規制)を継続)した。

1月26日以降,爆発的噴火は3月1日までに計13回発生し,こぶし大の噴石が遠方まで風に流されて降下したほか,降灰が宮崎県高原町や鹿児島県霧島市等火口の南東側を中心に広い範囲で観測された。

この災害により,負傷者42人の人的被害が発生した。負傷者の多くは灰の除去作業中に誤ってはしご等から転落したものである。住家被害は発生していないが,こぶし大の噴石による太陽光パネルの破損,空振による自動車ガラスの破損等の被害が約900件発生している。

避難勧告は,1,661世帯に出され,堆積した火山灰が降雨により土石流を生じさせる可能性が高まっていることから,警戒が必要となる雨量の基準に達するおそれのある場合には,総合的な判断により,土石流避難勧告が出されている。

降灰により,露地野菜の一部収穫不能,収量や品質低下等の農林水産関係被害が,これまでに約1万2,000ha において生じている。

道路については,延べ高速道路1路線,県管理国道1区間及び県道6区間で通行止めが発生した。

公共土木施設では,道路1箇所で被害が発生した。

文教施設等では,国立学校施設3校,公立学校施設41校,私立学校施設1校,社会教育・体育及び文化施設等4施設で被害が発生した。

社会福祉施設では,11施設で被害が発生した。

霧島山(新燃岳)の噴火 霧島山(新燃岳)の噴火の写真
道路の降灰除去作業 道路の降灰除去作業の写真

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