4 竜巻等突風対策


4 竜巻等突風対策

平成24年5月6日に,茨城県つくば市付近で藤田スケールでF3と推定される竜巻が発生する等,茨城県,栃木県及び福島県において複数の竜巻が発生した。この竜巻に加え,落雷,降ひょう等により,全国で死者3人及び負傷者59人の大きな被害が発生した(平成24年5月24日時点)。我が国における過去の竜巻災害としては,平成18年9月に宮崎県延岡市で台風による被害を含めて死者3人,負傷者143人及び住宅全壊79棟の被害が発生したほか,同年11月に北海道常呂郡佐呂間町において死者9人,負傷者31人,住宅全壊7棟に及ぶ被害が発生する等,多数の死者・負傷者や住宅被害が起きる事例が発生している(図表2-1-9)。

図表2-1-9 近年の主な竜巻被害 図表2-1-9 近年の主な竜巻被害の図表

竜巻は,積乱雲又は積雲に伴って発生する鉛直軸をもつ激しい渦巻きであり,年間を通じて日本のどこでも発生し,特に台風シーズンである9月に最も多く発生している(図表2-1-10)。竜巻等の突風による災害は,破壊力が大きく,人命のみならず住家,交通機関等へ局地的に甚大な被害をもたらす場合もあり,こうした竜巻等突風災害への対策に取り組んでいくことが喫緊の課題となっている。

図表2-1-10 竜巻の月別発生確認数(1991〜2010年) 図表2-1-10 竜巻の月別発生確認数(1991〜2010年)の図表

このため,竜巻等突風対策の充実・強化を目的として,内閣府副大臣を座長とし,関係府省庁により構成される「竜巻等突風対策局長級会議」の第1回を平成24年5月17日に開催し,同年7月末までに当面取り組むべき対策を取りまとめることとしている。同会議においては,有識者からの意見聴取や被災地での聞き取り,竜巻等突風対策の先進地であるアメリカ合衆国での調査等を行い,<1>観測・予測技術の高度化,<2>住民への情報伝達の在り方,<3>避難の在り方,<4>国民への普及啓発,<5>ライフライン,交通,公共施設等の処方対策,<6>その他被害軽減方策,<7>被災者支援等について検討することとしている。

また,気象庁では,今後の竜巻等突風予測情報の改善等に向けて,学識経験者,地方公共団体,報道機関等で構成する「竜巻等突風予測情報改善検討会」を開催し,平成24年7月までに竜巻等の突風に対する監視・予測技術の高度化の可能性及び中長期的な開発の方向性の検討と,予測情報の発表・伝達の在り方及び住民における利活用の推進策等の検討を行うこととしている。

図表2-1-11 竜巻の強さの指標(藤田スケール) 図表2-1-11 竜巻の強さの指標(藤田スケール)の図表

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