第1編 東日本大震災の概要と復興に向けた取組
第1章 被災地の復旧と復興に向けた取組
1 東日本大震災の被害状況
ここでは,東日本大震災について,昨年の防災白書の記述以降の状況変化や新たに判明した被害状況を中心に記述する。
東日本大震災をもたらした「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震」(気象庁が命名した地震名。以下「東北地方太平洋沖地震」という。)は,マグニチュード9.0という我が国の観測史上最大の地震であり,世界でも1900年以降4番目の巨大地震であった。震源域は岩手県沖から茨城県沖まで及び,長さ約450km,幅約200kmの断層が3分程度にわたり破壊されたものと考えられている。そのため,広範囲に揺れが観測され,また大津波が発生し,被害は広域にわたった。
(注:平成23年4月1日の閣議了解により,東北地方太平洋沖地震による災害及びこれに伴う原子力発電所事故による災害を「東日本大震災」と呼称することとされた。)