2 地域河川事業
国土交通省においては,影響範囲が地域に限定され,地域の生活基盤と密接な関係がある中小河川の安全度の向上を目的とし,平成20年度において,中小河川の整備を重点的に実施し,近年,激甚な災害が発生した河川等について再度災害防止対策及び慢性的な床上浸水被害の解消を図る治水対策を推進する。また,洪水調整を行う治水ダムの整備をはじめ常襲的な浸水被害を防止するための中小河川の整備やハード・ソフト一体となった内水対策を推進する。このほか,住宅宅地供給や下水道整備等と相まって,流域が一体となった総合的な治水安全度の向上を図るための河川事業及び超過洪水等に備える危機管理対策等を推進する。また,都市化の進展等に対処し,水害の防止を図るため,市街化地域等に関連する都市河川の治水対策を重点的に推進するとともに,安全で快適な生活環境の実現等を図るため,水道用水の確保等を目的とした生活貯水池の整備,まちづくりと一体的な河川整備を推進する。特に地震・高潮対策等河川事業等,流域の保水・遊水機能の維持増進,水害に対して安全な土地利用の誘導等と併せて,治水施設を総合的・計画的に整備する総合治水特定河川事業等を引き続き実施する。更に,周辺の環境に対し河川環境が著しく劣悪な市街地等の中小河川において,河岸の緩傾斜化,多自然化等を行うとともに市が施行主体となって地域に密着した河川整備を実施する都市基盤河川改修事業,周辺の市街地整備等となり,安全かつ良好な水辺空間の創出を図る特定地域堤防機能高度化事業等を実施する。
2−1 補助事業
(1)河川改修事業
a 広域河川改修
指定区間内の一級河川及び二級河川において,402河川(うち新規2河川)で広域河川改修事業を実施する。
そのうち,
- 広域基幹改修事業354河川(内新規2河川)で実施
- 広域一般改修事業45河川で実施
- 総合内水対策緊急事業3河川で実施
b 土地利用一体型水防災事業
宅地等の嵩上げ及び輪中堤等の築堤により早期に治水効果を上げる事業等7河川(うち新規2河川)において実施する。
(2)都市河川改修事業
a 都市河川改修事業
都市河川改修事業として157河川で実施する。
そのうち,
- 広域河川改修事業121河川で実施
- 地震・高潮等対策河川事業29地区で実施
- 特定地域堤防機能高度化事業7河川で実施
b 総合治水対策特定河川事業
16河川について実施する。
c 流域対策施設整備事業
7河川について実施する。
d 都市基盤河川改修事業
120河川(うち新規1河川)について実施する。
(3)床上浸水特別緊急対策事業
床上浸水被害が頻発しており,特に対策を促進する必要のある24河川について総合的な治水手法を集中的に実施する。
(4)河川災害復旧等関連緊急事業
上流部での災害復旧等による下流部での流量増への対策を1河川について実施する。
(5)河川激甚災害対策特別緊急事業
激甚災害対策特別緊急事業を12河川について実施する。
(6)ダム建設事業
70事業(建設工事65事業,実施計画調査5事業)を実施する。このほかに生活貯水池28事業を実施する。
(7)統合河川環境整備事業
指定区間内の一級河川及び二級河川等において,地域がより創意・工夫をいかして,流域全体の視点から河川の環境整備を推進する。