3−3 国際防災戦略拠点の形成



3−3 国際防災戦略拠点の形成

 緊急時(自然災害,紛争時)における人道支援活動が多様化・複雑化するなか,国連事務総長は,1997年の第52回国連総会において1)緊急時における国連の緊急人道援助の調整,2)緊急事態のための予防措置,3)防災体制の整備強化を図るため,国連人道問題調整事務所(OCHA)を設立することとした。
 また,2000年の国連総会の年次報告において,国連事務総長は,国際的に災害が頻発しているなか,国際社会において緊急に災害予防戦略を考案しなければならないと強調した。
 アジア地域においても,このような状況に適切に対応することが緊急の課題であるため,平成12(2000)年1月に,災害発生時の緊急支援活動を実施する国連人道問題調整事務所(OCHA)と神戸にあるアジア防災センターは,共同プロジェクトを立ち上げ,同センター内に災害対応地域アドバイザー(RDRA)を配置し,アジアユニットを開設した。これによって,国連が派遣する国連災害評価調整(UNDAC)チームによる緊急支援活動の調整が可能となった。平成13(2001)年8月,同じくアジア防災センター内に,災害に関する総合的な情報発信・提供を行う国連OCHA災害情報事務所(リリーフウェブ)神戸オフィスを開設した。同オフィスの開設により,ニューヨークとジュネーブにあるオフィスと合わせて世界の災害を24時間体制で監視し,最新の情報を提供することが可能となった。
 平成14(2002)年には,アジアユニットとリリーフウェブを併せて,アジア地域における緊急災害支援の本部機能をもつ国連OCHA神戸事務所を設置した。同センターでは,災害情報の収集・提供,被災国への緊急災害支援活動を総合的に調整する国連災害評価チーム(UNDAC)に参加し得る専門家を養成する研修を実施している。


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