3−7 台風第16号
(1) 災害の状況
平成13年9月5日9時,石垣島の南の海上で発生した熱帯低気圧は,その後発達して6日9時に同島の北の海上で台風第16号となった。台風は沖縄近海で停滞したり,数回ループを繰り返し,沖縄本島を2回通過するなど複雑な動きをした(図1−3−1)。
台風が通過した沖縄本島では7日と8日に被害が集中し,沖縄本島中南部を中心に多いところで300〜400mmの降水量となり,台風が近海に停滞した久米島や慶良間諸島では,総降水量は久米島で1,035.5mm,渡嘉敷村で935mmを観測した。また,那覇市では最大風速25.4m/sが観測された。
この台風による大雨と暴風により,死者行方不明者2名,負傷者9名,住家の全半壊及び一部損壊261棟,床上浸水814棟,床下浸水534棟の被害が発生した。
その他,停電,道路の冠水・損壊,土砂崩れ等が発生した。
(図1−3−1)台風第16号経路図

(2) 国等の対応状況
内閣府では,台風第16号による大雨で被害が発生した,沖縄県沖縄市,渡名喜村に被災者生活再建支援法に基づく支援金支給制度を適用することとした。
消防庁では,9月6日9時より関係機関及び地方公共団体との連絡体制を強化した。
防衛庁では,沖縄県知事からの災害派遣要請を受け,9月13日に給水支援及び停電に伴う電力関係者並びに機材の搬送を行った(人員派遣:延べ10名)。
文部科学省では,教育委員会等の関係機関から被害情報を収集するとともに,臨時休校等適切な対応をとるよう指示した。
厚生労働省では,11日に沖縄市,13日に渡名喜村に対し,災害救助法に基づき,避難所の設置,炊き出しその他による食品の供与を支援した。
郵政事業庁では,渡名喜村の被災者に対して,郵便物の料金免除を行った。
政府は,今回の災害について「平成13年9月6日から同月13日までの間の暴風雨による災害(台風第16号)」として沖縄県内の5村に対し局地激甚災害の指定を行った(表1−3−2)。
(表1−3−2)平成13年局地激甚災害適用措置及び対象区域
