3−6 台風第15号



3−6 台風第15号


(1) 災害の状況

 平成13年9月4日9時,南鳥島の南の海上で発生した台風第15号は,発達しながら北上し,その後,東海道沖で北東へと進路を変え,11日9時半頃神奈川県鎌倉市付近に上陸した。台風は,その後東京都区部を通過し茨城県北部沿岸から太平洋へ抜け,12日15時には千島列島付近で熱帯低気圧に変わった。
 台風は,動きが遅かったため,東北地方から紀伊半島にかけての太平洋側を中心に広い範囲で,長い時間にわたり大雨が降った。特に10日は関東地方西部から甲信地方,東海地方で大雨となり,総降水量は栃木県日光市で895mmを記録するなど,300〜500mmに達するところが多かった。
 この台風により,死者行方不明者8名,負傷者51名,住家の全半壊及び一部損壊300棟,床上浸水183棟,床下浸水1,202棟の被害が発生した。
 電気・水道・電話等のライフライン関係においては,北海道電力管内から関西電力管内にかけて延べ約351,100戸が停電となったのをはじめ,上水道についても群馬県で313戸,山梨県で223戸が断水となった。電気通信関係では,全国で携帯電話基地局20局が停波した。
 河川,道路等については,多摩川・利根川で越水等による浸水被害があった他,北海道から中部地方の多数の河川で警戒水位を越え,一部では危険水位に達した。また法面崩壊等により国道及び県道で87か所が通行止めに,冠水等により国道及び県道で22か所が通行止めとなった(9月12日16時現在)。土砂災害については,がけ崩れ,地すべり,土石流等合わせて全国で34件発生した。
 農林水産業関係では,農地666か所,農業用施設952か所,治山施設41か所,林地410か所,林道1,922か所,漁港等12か所及び農作物等に被害が発生した。

(2) 国等の対応状況

 内閣府においては,9月10日17時10分「情報対策室」を設置し,関係機関から情報収集を行うとともに,官邸,関係省庁に情報連絡を行った。
 消防庁では,9月10日8時30分第1次応急体制をとり,警察庁では,9月10日8時30分「災害警備連絡室」を設置した。
 文部科学省では,教育委員会等の関係機関から被害情報を収集するとともに,臨時休校等適切な対応をとるよう指示した。
 国土交通省では,9月10日8時30分警戒体制をとり,現地の情報収集のため衛星通信車を派遣した。
 防衛庁では,北海道知事からの災害派遣要請を受け,9月11日から12日にかけて,給水・排水支援,土のう積及び避難住民に対する毛布の貸し出しを行った(人員派遣:延べ約110名)。
 政府は,今回の災害について「平成13年9月8日から同月12日までの間の豪雨及び暴風雨による災害(台風第15号)」として局地激甚災害の指定を行った(表1−3−2)

(表1−3−2)平成13年局地激甚災害適用措置及び対象区域

(表1−3−2)平成13年局地激甚災害適用措置及び対象区域(その1)

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内閣府政策統括官(防災担当)

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