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東海地震に係る調査事項「検討を要するとされた事項(自然斜面のすペり及び崩壊、地盤の液状化、長周期の地震波)について」の調査検討結果について(報告)


東海地震に係る調査事項「検討を要するとされた事項(自然斜面のすペり及び崩壊、地盤の液状化、長周期の地震波)について」の調査検討結果について(報告)
 
  平成元年6月6日
中央防災会議地震防災対策強化指定
専門委員会から中央防災会議事務局長あて
 
1. はじめに
   昭和54年5月12日付、中央防災会議地震防災対策強化地域指定専門委員会から中央防災会議事務局長あてなされた「地震防災対策強化地域の指定について」の報告において、「著しい地震災害が生じるおそれのある地域」については、直接地震動に起因する被害を対象に検討を行い、震度VI(気象庁震度階級)に相当する地震動加速度以上になると予想される地域及び「大津波」が発生するおそれがあると考えられる地域とされた。
 この報告に基づき、地震防災対策強化地域(以下「強化地域」という。)の指定が昭和54年8月7日になされている。
 上記報告において、「指定された強化地域の外周で、自然斜面のすべり及び崩壊、地盤の液状化又は長周期の地震波によるものの被害を想定しなければならない地域等についてほ、引き続き検討を行う必要がある」とされたので、本委員会第2分科会の中にワーキング・グループを設置し、指定された強化地域の外周を対象に、自然斜面のすべり及び崩壊、地盤の液状化又ほ長周期の地震波によるものの被害を想定しなけれはならない地域について調査検討を行った。その検討結果についてほ、以下に述べるとおりである。
   
2. 自然斜面のすべり及び崩壊
   国土の開発が進んだ状況下における地震時の斜面崩壊は震度IV程度より強い地震で発生する恐れがある。地震時の自然斜面のすべり及び崩壊は、それが小規模・少数であれは災害は限られた範囲にのみしか影響を及ばさないが、大規模又は同時多発になれば、大きな二次災害を招くことになる。
  したがって、自然斜面のすべり及び崩壊の検討に当たっては、崩壊の可能性、崩壊する士量及び二次災害を引き起す可能性の三点を明確にする必要がある。
 現段階では、崩壊の可能性の判定についてほある程度の知見があるが、崩壊する土量の判定については困難である。二次災害を引き起す可能性については地形的要素・地理的要素をも考慮する必要があり、判定は更に困難であると考えられる。
 以上のことから、震IV程度から考慮する必要があるため対象範囲が広く、現実に起こる箇所が特定しがたいこと、二次災害が判定しがたいことを考慮すると、このことにより現段階において強化地域の指定を行うことは妥当でないが、その防災上の重要性に鑑み、まず判定技術の向上について別途検討することが必要である。
   
3. 地盤の液状化
   地盤の液状化の検討に当たっては、液状化の可能性のある地盤の存在する場所を選定することと、どの程度の地震動を受けた時にどの程度の液状化が生じるかを判定することが必要である。
 今回の調査では、東海地震を想定して非常に広い地域を対象として収集したおよそ3万本のボーリング資料について液状化の可能性を有する地点であるか否かの判断を行い、その結果を沖積地における地形区分と照合し、液状化の可能性を有する地形区分を定めた。次に、著しい液状化を生じさせる地震動の限界の強さを過去の地震にの液状化事例を基に、震度Vの強い方に相当する地震動加速度と定め、前記地形区分と合せ著しい液状化が生じる可能性のある地域を検討した。
 その結果、既に指定されている強化地域の外にあって、東海地震により著しい液状化が起こる可能性のある地盤が分布する地域は、別添図に示す範囲 と推定される。
 しかしながら、これらの地域内においても、現実に液状化が生じるか否か、さらには液状化により著しい被害が発生するか否かは、それぞれの地点における局所的条件に左右されるものであり、地域としての指定になじまず、効果について疑問があり、その対応策ほ個別に検討されるべきものである。
 以上のことから、これらの地域を強化地域に指定し、−般的な震災対策を講じることも−つの方法であるが、液状化現象の特性に鑑み、局所的に効果的な液状化対策を講ずる方策について、別途検討することが必要である。
 



 
 

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