2. 駿河湾周辺での津波の試算


 
2. 駿河湾周辺での津波の試算
 
4.津波の試算の結果
 

今回の試算結果における相田のK及びκは以下の通りである。

(海岸水位)

  ケース1 ケース2 ケース3
1.68 1.68 1.30
κ(分散) 1.20 1.20 1.27

(遡上高)

  ケース1 ケース2 ケース3
1.52 1.52 1.16
κ(分散) 1.25 1.25 1.30

 これらから、ケース1とケース2の津波の試算結果はほとんど同じで、駿河湾の津波には東海断層系による津波は影響しないこと、ケース1に比べ、ケース3の方が津波の試算値は大きな値を示すが、κは逆にケース1の方が小さく、全体的な分布パターンとしては、ケース1の方が実際に近いように思われることについては、前回の検討と同じである。
 ケース1の遡上高が、実測値に比べ小さい原因として、以下の2つの可能性が考えられる。
(1)遡上計算のパラメータ等の設定が適当でなく、遡上が実際よりも小さい。
(2)断層のすべり量が、2.85mと小さく、全体として津波が小さくなっている。

今後、遡上計算のパラメータ等の調整及び、深さ20km付近の剛性率をもとに推定した断層のすべり量を、より浅い部分の剛性率をもとに推定する等の調整を行い、遡上高がより実際に近くなるよう調整する。
また、その結果を用いて、想定東海地震による津波の全体評価を行う。


※ 相田のK及びκは、津波再現計算の結果の信頼度を判定する際に通常使われるものであり、それぞれ、[実測値と計算値の比]の幾何平均及び幾何分散に相当する。K及びκの値が小さいほど試算値が実測値に近いことを表している。これらの定義は次の通り。

実測値をXi、計算値をYiとし、Ki≡Xi/Yi、nを比較を行うデータの総数とすると、

logK≡(1/n)ΣlogKi
logκ≡{(1/n)Σ(logKi)2 −(logK) 2}1/2

 

   
   
 
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