2. マクロ的に見た断層パラメータについて


2. マクロ的に見た断層パラメータについて
 
(1) 地震モーメント及びマグニチュードの推定
   地震モーメント(Mo)は、次の震源断層の総面積(S)と応力降下量(Δσ)に関する相似則により推定する。
 
   応力降下量は、海域の地震で得られる平均的な値、30barr(=3.0×107dyne/cm2)とし震源断層の総面積は、上記で得られる震源断層の総面積とする。
 マグニチュード(モーメントマグニチュード:Mw)は、次式に従い算出する。
 
(2) 平均変位量
   平均変位量(D)は、次の地震モーメントと震源断層の総面積との関係式から算出する。
 
   ここで、μは剛性率で、3.0〜4.0×10^11dyne/cm2を用いる。
(3) スリップベクトルの方向
   地震発生時の沈み込むプレートのスリップベクトルの方向は、Heki& Miyazaki (2001,in print)による最新の研究成果、N72°Wを採用する。
(4) プレートの相対運動量等からの検証
   御前崎付近のプレートの相対運動量と1854年安政東海地震以降からの経過年数を考慮して推定される変位量と、上記で求められた平均変位量とを比較し、その妥当性を評価する。プレートの相対運動量は、Heki&Miyazaki(2001,in print)による最新の研究成果、1.88cm/yrを採用する。
 また、バックスリップの計算から求められる変位量についても、地震モーメント及び平均変位量を試算し、上記で求められた地震モーメント及び平均変位量とを比較し、その妥当性を評価する。
 なお、これらの評価においては、地震発生時の平均変位量は、一般的にプレートの動きから求めた変位量より小さいことを踏まえて評価する必要がある。
   
3. その他の断層パラメータ
   
   マクロ的に見た断層パラメータについては、上記以外にも、破壊の伝播速度、破壊開始点を決める必要がある。
   強震動や津波予測を行うには、これらマクロ的に見た断層パラメータ以外にも、アスペリティの面積・個数、アスペリティの幾何学的分布(一様に、或いは海側、陸側に分布させる等)などのミクロ的に見た断層パラメータの設定が、海底近くの浅部断層をどのように設定するかが重要となる。
   これらについては、地震動等を中心に検討するなかでの試算も踏まえ、適切な値を設定する。
   なお、これら試算の過程で、想定震源域や2.のマクロ的に見た断層パラメータについても、より適切なものとなるよう吟味する。
 
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