「防災とボランティアのつどい」 午前全体会

(以下、司会者は「司会」、敬称略)
丸谷(内閣府災害予防担当企画官:司会)

 大変お待たせしました。ただ今から、平成16年度の「防災とボランティアの集い」を開催させていただきます。私は担当企画官の丸谷と申します。本日のつどいでは防災に関わったボランティア関係者の方々に幅広く意見交換していただきまして、今後の活動に役立つ機会になれば幸いと考えています。

 また、新潟県中越地震の対応をされているボランティアの方々が多数いる中での日程設定となったことにつきましては、主催者として、まことに心苦しく思っているところでございます。

 新潟県の現地の方々とも話をしまして、来年の適当な時期に、内閣府といたしましても、本日ご参加いただけなかった新潟で活動されているボランティア関係者の方々のお話を聞く機会をつくりたいと考えております。

 それでは、本日の参加者のご紹介をさせていただきます。まず、コーディネーターの皆様に壇上におあがりになっていただいておりますが、左手の中央からご紹介させていただきます。全体会合の司会を務めていただきます、「財団法人市民防災研究所」理事で「東京YWCA」副会長の池上三喜子様でございます。お隣でございますが、分科会Aの司会を務めていただきます、「大妻女子大学」助教授の干川剛史様でいらっしゃいます。分科会Bの司会を務めていただく、「防災&情報研究所」代表の高梨成子様でございます。分科会Cの司会を務めていただきます、「東京災害ボランティアネットワーク」事務局長の上原泰男様でいらっしゃいます。続きまして、分科会Dの司会を務めていただきます、「人と防災未来センター」の専任研究員の菅磨志保様でございます。

 なお、午後の全体会合には、「独立行政法人消防研究所」理事長の室崎益輝先生にもおいでいただく予定でございます。また、本日、ボランティア関係者、全国から100名を越える方々にご出席いただいております。時間の都合もございますので、個々の名前のご紹介は割愛させていただきました。名簿でご確認ください。

 続きまして、壇上の方々を紹介申し上げます。まず、壇上右手中央から、村田吉隆防災担当大臣でございます。坂内閣府審議官でございます。柴田内閣府防災担当統括官でございます。この他、内閣府、さらには「消防庁」「厚生労働省」「国土交通省」のご担当者にも出席いただいております。また、「日本赤十字社」「全国社会福祉協議会」からもご出席がございまして、その方々につきましても、出席者名簿でご確認していただければと思っております。

 それでは、会合を始めるにあたりまして、主催者であります内閣府を代表いたしまして、村田防災担当大臣よりご挨拶を申し上げます。大臣、よろしくお願いいたします。

村田(内閣府防災担当大臣)

 皆様、おはようございます。防災担当大臣をしております村田吉隆でございます。本日は、ボランティアの皆様におかれましては、色々な意味で大変お忙しい中、また、台風、あるいは中越地震もまだ避難者もまだおられる中で、その活動に携われている方もおられるわけで、ありがとうございました。

 今年は近年にはないほど、数多く台風が上陸いたしましたし、新潟県では大きな地震も起きました。そういう意味で、皆様もこうした災害に対して、今年もご支援をいただいていることに、心から敬意を表する次第であります。

 皆様は平素から、そうした災害に際しまして、救援活動あるいは予防の方面でもお力添えをいただいている方々ばかりであると聞いておりまして、まずもって、皆様のそうしたご支援に対して担当大臣として心から敬意と感謝を申し上げたいと思います。

 皆様の活動は、もう既に災害が発生した状況において、なくてはならない存在であります。われわれ政府にとりましても、皆様の存在というのは大変貴重なものであると同時に、災害発生時に被災者の皆様にとっても、大変、その具体的な支援ならびに、あるいは心の面でもご支援をいただいており、被災者の皆様の心の支えとして、なくてはならない存在であろうかと思います。

 私は9月27日に防災担当大臣を拝命したわけでございますが、その翌日に台風21号が本土上陸をしたというわけでございます。それから、22,23号、そして、地震と、現地に赴きまして、皆様のご活動のあり様というものを、つぶさに拝見してまいったわけであります。新潟県小千谷市では、皆様のお仲間が遠くからおいでになりまして、自衛隊員の皆様と発災の翌日から炊き出しのお手伝いをして頂いている姿に対しまして、私も大変ありがたく思った次第であります。

 皆様の活動でありますが、平成7年の阪神・淡路大震災が本当にボランティアとしての活動のスタートされ、この年がボランティア活動の元年だと聞いています。私も国会議員をしておりまして、阪神・淡路大震災の時も、ちょうど自由民主党の交通部会長という役割をしておりましたので、そうした交通関連施設の被災状況の視察に参りました。それから、福井県で発生したナホトカ号海難・流出油災害という大変ひどい災害におきましても、国会議員の一人として、現地に赴いた経験がございます。

 そういう意味で、冒頭に申しましたように、皆様のご活動は頭の中にしっかりと焼き付いているわけでございますが、政府といたしましてもボランティアの元年と言われております平成7年から、我々内閣府といたしましてもボランティア活動の理解促進と環境整備を図るために、この「防災とボランティアのつどい」を毎年開催してきました。

 本年、相次いで起こりました台風および地震の被害に関して、政府といたしましても、今、一生懸命努力を続けているところであります。何とかして被災者の皆様が、将来に希望を持って、新しい年の正月を迎えられるように、われわれも一生懸命尽くしてまいりたいと思いますが、どうか一つ、皆様におかれましても、こうした被災者の支援のために今後ともご支援をお願い申したいと思います。

 私が就任する前に、今年9月に、今年夏の新潟・福井の豪雨災害に関わりまして、ボランティア懇談会を開催させていただいたということを聞いております。その席上で、皆様から大変建設的なご意見、あるいは我々の救援活動に対してのご指摘もいただいたと承っております。

 今日、改めて、この「防災とボランティアのつどい」が開かれまして、皆様から、改めて、また、最近の情勢に鑑みて、ご意見をちょうだいできれば、まことにありがたいと思っております。また、今日のこの機会が、ボランティアの皆様の相互交流の機会になることを期待しまして、私の挨拶とさせていただきたいと思います。

 皆様、今日はありがとうございました。そして、いつものボランティア活動に対しまして、改めて、心から感謝を申し上げまして、私の挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。

司会

 ありがとうございました。大臣は所用のため、退席させていただきます。続きまして、コーディネーターの皆様を代表いただきまして、池上様からご挨拶をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

池上(財団法人市民防災研究所理事・東京YWCA副会長)

 皆さん、おはようございます。今日は北から南から、色々な所からお集まり頂きまして、ありがとうございます。9月18日にも司会をさせていただいたのですが、今日もあの時にご出席いただいた方々とお会いできることをとても楽しみにしてまいりました。今日、皆様には4つの分科会に分かれて意見交換をしていただき、午後は全体報告会ということになりますが、4つの分科会のどのテーマも、とても興味深いものですので、選択に困られたのではないかと思います。私は全体会の司会ということで、少しずつ4つの分科会にお邪魔いたしますが、その節はよろしくお願いいたします。

 さて、阪神・淡路大震災が起こりましてから、来月で10年が経ちます。10年が経った今、当時のボランティア活動を思い起こしてみますと、いくつかの教訓がありました。9月18日の私のコメントにも書かせて頂きましたが、一つは被災者の自立を促進するためのボランティア活動であるということです。「引き際も大事ですよ」ということも含まれています。

 二つ目は、地域、企業、行政、学校、それぞれに限界があり、お互いに協力し合って、協働して補い合うということがボランティア活動であるということです。

 三つ目はボランティアコーディネーターの養成が急務であるということでした。四つ目はボランティア教育もいち早く立ち上げなければいけないということだったのですが、最近の災害現場を見ておりますと、このボランティアコーディネーターやボランティア教育があまりなされていないところに集中的に、災害が起こっているような気が私はいたします。災害が起こると、ボランティアセンターをいち早く立ち上げなければならないということで、今ではかつて災害を経験し、ボランティア体験のあるボランティアコーディネーターやボランティアが災害現場へかけつけ、支援をするという仕組みがでてきました。この中には、かつて災害が起こったところが支援に行き、そこでボランティアコーディネーターの教育やボランティア教育に携わっていらっしゃる方たちがたくさんおられると思うのですが、そういった仕組みづくりが10年経ってやっとできてきたような気がします。

 五つ目は、日常の蓄積こそが一番大事であるということです。日常、ボランティア経験のない、ボランティア初心者が災害現場に入ってくると大変な迷惑がかかることが多々あります。過去の災害現場で、そのような迷惑ボランティアを何回も見てきました。

 そういうことで、日常あらゆる機会をとらえて、ボランティア教育が必要だということです。分かり易く言いますと、自分の寝起きから食事、トイレの始末まで自分で全て完結できるような体制でボランティア活動に臨むということです。行った先で、ボランティア用の宿泊施設や食料などの準備があるところであれば、その恩恵にあずかっても構わないと思いますが、そうでなければ、自分たちで完結するという覚悟でボランティア活動に臨まなければならないことを意識してほしいと思います。

 それから、被災地では発災直後は、健常者、障がい者の別け隔てなく誰もが被災者になるということを、私達は覚悟して臨まなければなりません。特に今日はマスコミの方がおられますが、発災直後の報道というのは大変大きな影響力があります。新潟県中越地震で私は直後に、あるテレビ局に頼まれ、東京の局で対応したのですが、現地からの報道は「ボランティアの数が足りないようです」「物資が不足しているので、これから先たいへんですね」などというものでした。それはそれでいいのですが、どこに何が、どれくらい不足しているのか、あるいは、どこどこではボランティアの受け入れはしていないなど、もう少し情報を具体的に一元化して流すことが、報道関係者の課題ではないかという気がしています。

 色々な意味で、私たちも含めて、もっともっと勉強しなければいけないことがたくさんありますが、今日の分科会のテーマの一つは「新潟県中越地震および新潟県豪雨のボランティア活動」、二つ目は「今年の各地の台風豪雨災害におけるボランティア活動」、三つ目が「被災地活動を支える広域的な市民活動のあり方」です。四つ目が「ボランティア活動を担う人材育成およびボランティア活動の経験の地元への生かし方」となっています。どれも魅力的な分科会ですが、どうぞ、今日は来てよかったなと思う「つどい」にして頂きたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

司会

 池上様、ありがとうございました。続きまして、本日の進め方についてご説明させていただきます。まず、配布させていただいた資料の中に、このような「防災とボランティアのつどい」という資料と、資料集とアンケート用紙がございます。恐縮でございますが、「防災ボランティアのつどい」というメインの資料をお手元に出していただければと思います。

 本日の日程でございますが、見開き1ページに記載されております。この後、分科会を11時から開きまして、昼休みを挟みまして15時まで行い、その後、この場に戻っていただきまして、全体会合を行います。

 なお、この会場から分科会会場への移動につきましては1階にお降りいただきまして、メインの入り口から、エレベーターを使って移動していただきます。また、階段を使った移動も可能でございます。その際は、係員に聞いていただければと思います。

 それから、昼食につきましては、この資料の裏表紙のところに会場周辺地図がございます。飲食店あるいはコンビニなどが多くある地域には太丸印で囲ってあります。昼休みの時間は1時間と、さほど長くないということで恐縮でございますけれども、適宜、皆様につきましては、食事の手配をご自分でよろしくお願いいたします。なお、司会の方々につきましては、昼休みに打ち合わせを兼ねて昼食をとりながらミーティングを行いますので、よろしくお願いいたします。

 連絡は以上でございます。皆様につきましては、本館4階の分科会会場までご移動をお願いいたします。荷物は分科会会場まで全てお持ちいただければと思います。

この頁を閉じる次のページに進む

所在地 〒100-8914 東京都千代田区永田町1-6-1 電話番号 03-5253-2111(大代表)
内閣府政策統括官(防災担当)

Copyright 2017 Disaster Management, Cabinet Office.