不屈の大地 Build Back Betterの軌跡



東日本大震災からの復興 平成23年(2011年)岩手県

東日本大震災で大きな被害を受けた岩手県釜石市は、ラグビーワールドカップ2019の開催都市の一つとなりました。震災の教訓を伝える場所に建てられたスタジアムで試合が行われます。
地図

岩手県釜石市は古くから漁業とともに、製鉄の町として発展してきました。昭和50年代に新日鐵釜石ラグビー部が活躍すると、同市はラグビーの町としても知られるようになりました。

平成23年3月に東日本大震災が発生すると、釜石市(当時の人口は3.9万人)は最大9.3mの津波による深刻な被害を受けました。関連死を含む死者・行方不明者数は1,000名を超え、町の住宅の約3割にあたる約4,700戸が被災しました。

釜石市は同年12月に、復興まちづくり基本計画「スクラムかまいし復興プラン」を発表、早期復旧と復興、新しいまちづくりに向けて歩み始めました。

そのような中、日本での開催が決定していたラグビーワールドカップ2019の試合を釜石市に誘致する機運が市民の間で次第に高まってきました。平成26年10月に岩手県と釜石市は共同で開催都市に立候補を表明、平成27年3月に開催都市として決定しました。

釜石市は、復興のシンボルとなる試合会場として「釜石鵜住居復興スタジアム」を、津波で全壊した旧鵜住居小学校・釜石東中学校の跡地に整備しました。両校は、大震災の際、約600名の児童・生徒が、助け合いながら自主的に避難し、津波から逃れたことで知られています。スタジアムには「あなたも逃げて」と刻まれた祈念碑が設置され、津波の教訓を後世に伝えています。

津波の被害を受けた釜石東中学校(写真:いわて震災津波アーカイブ/提供者:釜石市、平成23年3月23日撮影)

津波の被害を受けた釜石東中学校
(写真:いわて震災津波アーカイブ/提供者:釜石市、平成23年3月23日撮影)

平成30年8月19日に開催された「釜石鵜住居復興スタジアムオープニングDAY」に集まった観客(写真:釜石市)

平成30年8月19日に開催された「釜石鵜住居復興スタジアムオープニングDAY」に集まった観客
(写真:釜石市)


三陸鉄道

表紙の写真

釜石鵜住居復興スタジアムは、災害に備え、地下に100トンの耐震性貯水槽を設けています。林野火災等大規模災害時には、ヘリポートや災害拠点としても機能します。

表紙絵

(写真:アフロ)

Build Back Betterとは

「Build Back Better(より良い復興)」 とは、2015年3月に宮城県仙台市で開催された「第3回国連防災世界会議」の成果文書である「仙台防災枠組」の中に示された、災害復興段階における抜本的な災害予防策を実施するための考え方です。

本シリーズでは、災害が発生した国内外の事例を紹介し、過去の災害を機により良い街づくり、国土づくりを行った姿を紹介いたします。

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