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日中韓防災担当閣僚級会合の開催

10月30日(木)、日中韓防災担当閣僚級会合が韓国・ソウルにおいて開催されました。この会合は、2008年5月に発生し、甚大な被害をもたらした中国・四川大地震を踏まえ、日本、中国、韓国の3カ国間での防災協力を推進するため、同年12月の日中韓首脳会議において、各国持ち回りで開催することとされたものです。今回は、2009年に神戸で開催された第1回、2011年に中国・北京で開催された第2回に続く第3回会合であり、日本からは西村康稔内閣府副大臣、韓国からは南相浩(ナム・サンホ)消防防災庁長、中国からは顧朝曦(コ・チョウギ)民政部副部長が代表として出席しました。
会合は、韓国代表の南副部長による開会挨拶で幕を開け、各国の災害情報と防災対策の共有、日中韓防災協力の推進について活発な意見交換を行いました。

各国の災害情報と防災対策の共有

最近の災害情報について、日本からは、今年の梅雨期における大雨と、その後に相次いだ台風及び豪雨、そして竜巻等突風災害について報告を行いました。韓国からは、台風被害と猛暑の報告があり、中国からは、南部における日照り・北部における洪水といった両極端な気象災害の増加や、本年4月に四川省で発生した廬山地震について報告がありました。
また、各国が推進する防災対策について、日本からは、東日本大震災後の経験と教訓を踏まえて、2012年と2013年の2回にわたり災害対策基本法の見直しを行い、併せて大規模災害からの復興に関する法律を制定した事例を紹介しました。韓国からは、大規模災害の発生に備えて防災関係機関が訓練等を実施ながら連携強化を推進している事例や、地すべりや火山に対する監視システムの紹介がありました。中国からは、災害情報システムの構築等について紹介がありました。

日中韓防災協力についての意見交換

続く意見交換は、「防災における技術と情報の共有」と「教育と訓練」という2つのテーマに分けて行われました。
日本からは、防災に関する情報発信や研修の実施について、すでに15年間の実績を有するアジア防災センター(兵庫県神戸市)のさらなる活用を提案するとともに、2015年3月に仙台市で開催される「第3回国連防災世界会議」への積極的な参加を呼び掛けました。韓国からは、本年3月に韓国・ソウルにて初めて実施した「日中韓三国机上演習」が、極めて有意義な取り組みであったとの発言等があり、中国からは、日韓に対して、北京に開設されている国家減災センターを訪問ありたいとの要請等がありました。
このような意見交換の結果、「防災における技術と情報の共有」については、各国が直面するハザード・災害が発生した際の被害状況・災害復旧に関する情報を共有すること、防災に関する技術・経験・教訓等の共有について今後実現の可能性を検討すること、防災に関する情報通信技術の好事例を共有すること、そして3カ国で開催される国際防災会議への相互出席を推進することを確認しました。
また、「教育と訓練」については、日中韓三国机上演習を今後も定期的に開催すること、被災地等を相互に訪問し理解を深め合うこと、防災担当行政職員・研究者・学者間の交流プログラムを立ち上げること、共同セミナーや訓練の共同開催を通じて3カ国の有する防災技術と経験を途上国にも提供することを確認しました。
会合の最後には、これらの内容を盛り込んだ、3国の代表による共同声明書への調印が行われました。

※この共同声明書は、内閣府防災ホームページで公開しています。(https://www.bousai.go.jp/kohou/oshirase/pdf/131030-1kisya.pdf (PDF形式:632.1KB)別ウインドウで開きます

地理的・自然的条件が類似している3カ国が手を取り合い、防災分野で協力し合うことは、3カ国のみならず、アジア太平洋地域の防災力強化へもつながります。本会合での合意事項について、日本は今後積極的に取り組んでいきます。
なお、第4回会合は、2015年に日本で開催される予定です。

日中韓防災担当閣僚級会合で握手をする西村康稔内閣府副大臣(左)、韓国の南相浩消防防災庁長(中央)、中国の顧朝曦民政部副部長

日中韓防災担当閣僚級会合の参加者

アジア防災センターとは

1998年7月、兵庫県神戸市に設立され、現在は30カ国のメンバー国と5カ国のアドバイザー国が加盟しています。アジア地域における災害の削減を目的として、各国・関係機関の防災専門家の交流、防災情報の収集・提供、多国間防災協力に関する調査研究等の活動を行っています。

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