Disaster Management News~防災の動き

首都直下地震帰宅困難者等対策協議会中間報告

平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震の影響により、首都圏においては多くの鉄道の運行停止や道路での大規模な渋滞により、多くの公共交通機関の運行に支障が生じた。その結果、発生時刻が平日の日中であったことと相まって、鉄道等を使って通勤・通学している人々の帰宅手段が閉ざされ、首都圏において約515万人(内閣府推計)に及ぶ帰宅困難者が発生した。この混乱は、首都直下地震発生時に備え、帰宅困難者等対策を一層強化する必要性を顕在化させた。

膨大な数の帰宅困難者等への対応は多岐にわたるものであるため、首都直下地震による多数の死傷者・避難者が想定される中にあって、行政機関による「公助」だけでは限界があり、「自助」や「共助」も含めた総合的な対応が不可欠であるため、国、地方公共団体、民間企業等が連携・協働した取組を進めることが重要である。

こうした背景を踏まえ、内閣府(防災担当)及び東京都は、帰宅困難者等対策について、東北地方太平洋沖地震の教訓を踏まえ、国、地方公共団体、民間企業等が、それぞれの取組に係る情報を共有するとともに、横断的な課題や取組について検討するため、平成23年9月に首都直下地震帰宅困難者等対策協議会を設置した。この協議会は内閣府政策統括官(防災担当)と東京都副知事を共同座長とし、関係省庁及び地方公共団体の16の行政機関と、17機関の民間企業・団体から構成される。

協議会では、その下に具体の課題や取組について検討するための幹事会、また幹事会の下に「帰宅困難者等への情報提供体制」、「帰宅困難者等への支援体制」及び「駅前滞留者対策及び帰宅困難者等の搬送体制」についてそれぞれ検討するためのワーキンググループを設置して検討を進めている。

平成24年3月9日に公表された中間報告では、切迫性の高い首都直下地震に対して、早期に対策を講じていく必要があるとの認識の下、検討の前提として平日昼12時発生の東京湾北部地震(M7.3)を想定した上で、以下の6つの観点から、具体的な取組内容の方向性を取りまとめている。

  • 1一斉帰宅の抑制
  • 2一時滞在施設の確保
  • 3帰宅困難者への情報提供
  • 4駅周辺等における混乱防止
  • 5徒歩帰宅者への支援
  • 6帰宅困難者の搬送

協議会は、中間報告を踏まえ、官民連携による帰宅困難者等対策の確立のための検討を加速し、平成24年夏から秋に最終報告を行う予定である。

後藤斎内閣府副大臣(中央)出席のもと行われた首都直下地震帰宅困難者等対策協議会中間報告

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内閣府政策統括官(防災担当)

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