1-2 防災推進国民会議と防災推進国民大会
広く各界各層が情報、意見の交換及びその他の必要な連携を図り、中央防災会議と協力しつつ、国民の防災に関する意識向上を図るため、地方六団体、経済界、教育界及び医療・福祉関係等の各界各層の有識者から成る「防災推進国民会議」が平成27年に設立され、普及・啓発活動を行っている。
(1)防災推進国民大会(ぼうさいこくたい)2022
内閣府、防災推進国民会議及び防災推進協議会(災害被害軽減の国民運動推進を目的として活動する業界団体等で構成される組織)の共同主催により、令和4年10月22日から23日に、「防災推進国民大会(ぼうさいこくたい)2022」を兵庫県神戸市で開催した。大会は「未来につなぐ災害の経験と教訓~忘れない、伝える、活かす、備える~」をテーマとし、災害の経験や教訓の伝承の重要性を再認識し、私たち一人一人が日頃から防災に取り組むことの大切さを訴える機会とすることを目指した。
オープニングでは、主催者を代表して谷内閣府特命担当大臣(防災)が開会の挨拶を行い、「本大会がきっかけとなって新しい出会いやつながりが生まれ、防災の輪が全国各地に広がり、我が国の防災力強化に一層寄与してほしい」旨を述べた。その後、清家防災推進国民会議議長(日本赤十字社社長)が主催者挨拶を、齋藤兵庫県知事及び久元神戸市長が開催地挨拶を行った。オープニングディスカッションでは、「未来につなぐ教訓と防災教育」をテーマとして、地域と学校がどのように連携して防災教育を行うか、幼児期からの防災教育についてどう取り組むのか等の議論を通じ、阪神・淡路大震災など過去の大災害の教訓から何を学び、どのように次世代に伝えていくのかについて意見交換を行った。また、内閣府が主催するハイレベルセッションでは、「大災害とわたし~トップリーダーがつなぐ災害の経験と教訓~」をテーマとして、兵庫県知事、神戸市長、水鳥国連事務総長特別代表(防災担当)兼国連防災機関(UNDRR)長など、開催地及び国内外の各界を代表するトップリーダーが、災害にまつわる個人的な体験と、それぞれの立場から防災の取組の中で何を意識してきたかを語るとともに、今後の取組について議論を行った。
このほか、行政、公益団体、学術界、民間企業、NPO等の様々な団体がテーマ別セッションを行い、災害教訓やますます重要となる自助・共助の取組等について議論を行ったほか、ワークショップでは、全国の多様な防災の担い手が集い、日頃からの防災・減災の取組事例や取り組む上での悩み・課題を共有するものなど様々な企画が実施された。さらに、ブースやポスターで各団体の取組を発表するプレゼンテーション・ポスターセッション、今回初の試みとなった出展団体の取組をステージで発表するイグナイトステージ、車両などの屋外展示等の出展があり、延べ319団体が防災・減災活動等を紹介した。
クロージングでは、秋本防災推進国民会議副議長(公益財団法人日本消防協会会長)による主催者挨拶、河田阪神・淡路大震災記念人と防災未来センター長による大会総括や、開催地兵庫県での出展に向けた取組「現地企画・情報共有会議」の報告がなされた。また、次回開催地の黒岩神奈川県知事からビデオメッセージが寄せられ、締めくくりとして星野内閣府副大臣からは大会参加者への感謝と、次回大会への期待が表明された。現地来場者約12,000人、オンライン視聴数約11,000回の参加実績となった同大会を通じて、行政による「公助」はもとより、国民一人一人が「自らの命は自らが守る」という意識を持って災害に備える「自助」と、地域、学校、企業、ボランティアなどが助け合う「共助」を組み合わせることによって、我が国全体の防災力を高めていくことの重要性が確認された。
(2)第8回防災推進国民会議
第8回防災推進国民会議は、令和4年12月14日に総理官邸大ホールにて開催された。冒頭、岸田内閣総理大臣は、防災推進国民会議の各団体の防災活動への取組に対する感謝の言葉とともに、「災害が頻発化・激甚化する中、国民一人一人が日頃の備えを確認するなど、防災意識を一層高め、我が国の防災力を高めることが大切」であるとした上で、令和5年は関東大震災から100年の節目を迎え、各地で様々な取組が予定されることから、国民会議構成団体のなお一層の協力を賜りたい旨の期待を述べた。
続いて、「防災推進国民大会(ぼうさいこくたい)2022」などの活動報告等があり、全国知事会及び全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD)から自助・共助による防災意識の向上に向けた取組が紹介された。
また、同会議においては、関東大震災100年を踏まえた啓発活動や関連行事を積極的に実施していく方針を確認した。内閣府では、国・自治体・民間団体等の関連行事開催等に当たっては、「関東大震災100年」共通ロゴマーク使用を呼びかけるとともに、内閣府ホームページにおいて「関東大震災100年」特設ページを設け、同ページにおいて関東大震災の概要や関連行事等の紹介等を行った。
(「関東大震災100年」特設ページ https://www.bousai.go.jp/kantou100/index.html)