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3-3 男女共同参画の視点からの取組

東日本大震災後、防災に関する政策・方針決定過程等における女性の参画拡大や、男女のニーズの違い等に配慮した取組が必要であることが、一層認識されるようになった。

平成24年6月の「災害対策基本法」の改正では、地域防災計画の策定等に当たり、多様な主体の意見を反映できるよう、地方防災会議の委員として、充て職となっている防災機関の職員のほか、自主防災組織を構成する者又は学識経験のある者を追加することとされた。

地方防災会議の委員に占める女性の割合は、平成27年4月1日現在、都道府県防災会議が13.2%(前年比1.1%ポイント増),市区町村防災会議が7.7%(前年比0.6%ポイント増)といずれも上昇傾向にある。都道府県防災会議では、女性委員のいない会議数が平成25年に初めてゼロとなった。一方、市区町村防災会議のうち女性委員のいない会議数は、同会議総数の28.6%となっており、特に町村では、半数以上の防災会議で女性委員がいない(図表1-1-13)。

図表1-1-13 地方防災会議の委員に占める女性の割合の推移図表1-1-13 地方防災会議の委員に占める女性の割合の推移

男女共同参画社会基本法(平成11年法律第78号)に基づき、平成27年12月25日に閣議決定された「男女共同参画基本計画(第4次)」(以下、この節において「基本計画」という。)においては、東日本大震災等の経験と教訓を踏まえ、防災・復興施策への男女共同参画の視点の導入を進めるとともに、防災・復興における女性の参画とリーダーシップの重要性について、国内外に発信することを「改めて強調している視点」として掲げるとともに、「男女共同参画の視点に立った防災・復興体制の確立」を新たな分野として設けた。

基本計画では、成果目標として、都道府県防災会議及び市町村防災会議の委員に占める女性の割合並びに消防吏員及び消防団員に占める女性の割合について、具体的な数値目標を設定し、防災に関する政策・方針決定過程への女性の参画拡大を図ることとしている(図表1-1-14)。

また、防災施策へ男女共同参画の視点を導入するため、地域防災計画や地区防災計画に男女共同参画の視点が反映されるよう、地方公共団体に対して防災におけるa男女共同参画の推進が図られるよう働きかけるとともに、防災関係者に対して、男女共同参画の視点からの防災・復興に係る研修を実施することとしている。平成27年度に、内閣府は、研修の実施に資するため、平成25年5月に作成した「男女共同参画の視点からの防災・復興の取組指針」を踏まえ、男女共同参画の視点からの研修プログラムを開発、試行的に実施し、その効果や課題を明らかにする調査研究を行った。

平成27年3月に仙台市で開催された第3回国連防災世界会議で策定された「仙台防災枠組2015-2030」には、女性のリーダーシップの重要性等、我が国の主張が取り入れられた。外務省では、「仙台防災協力イニシアティブ」(平成27年3月14日)に基づき、「防災における女性のリーダーシップ推進研修」を開始した。

今後、基本計画等を踏まえ、各府省庁において男女共同参画の視点からの防災・復興に関する取組を進めることとしている。

図表1-1-14 男女共同参画基本計画(第4次)「第11分野 男女共同参画の視点に立った防災・復興体制の確立」成果目標図表1-1-14 男女共同参画基本計画(第4次)「第11分野 男女共同参画の視点に立った防災・復興体制の確立」成果目標
コラム:民間企業における防災産業の育成に向けた取り組み

我が国は災害の多い国土であるがこれまでの災害の経験に基づき、民間企業には先進的な防災技術・ノウハウが蓄積されている。昨年3月に仙台市で開催された第3回国連防災世界会議で採択された「仙台防災枠組2015-2030」では、民間企業の役割が明記されている。また、同会議では、安倍総理から防災分野における国際社会への貢献策として、「仙台防災協力イニシアティブ」を発表し、これまで培った日本の知見と技術を共有するという方針のもと、4年間で計40億ドルの資金協力と4万人の人材育成を表明している。特に、ハード、ソフトを組み合わせた信頼できるインフラのパッケージは日本の強みであり、2012年に約3兆円であったインフラ輸出は、2013年には約9兆円となっており、2020年には30兆円を目指している。

このような中、民間企業においては、防災産業の育成強化や災害時における協力について異業種間による検討が行われ始めている。そのうちの一例として、日刊工業新聞社、セブンイレブンジャパン、三井住友海上火災保険など様々な業態の企業が集まり、昨年7月に「日本防災産業会議」を設立し、活動を行っている。同会議では、個々の民間企業が有する災害情報の共有化や災害時の事業継続の取組について個社だけでなく社会全体として取り組むにはどうしていくべきかなどテーマを設けた分科会を設置し、これらの検討を行っている。また、災害時においては官民における連携が重要であることから、同会議に参画する企業を中心とした民間企業と、内閣府をはじめとする関係省庁等や地方公共団体の実務者による意見交換会を開催(平成27年度は官民連携意見交換会を2回開催、災害時の情報共有に係る分科会は官民双方出席する分科会を2回開催)し、これらテーマについて意見交換を行うなどし、防災産業の育成強化に努めている。

第1回官民連携意見交換会で開会の挨拶を行う松本内閣府大臣政務官(当時)第1回官民連携意見交換会で開会の挨拶を行う松本内閣府大臣政務官(当時)
コラム:地域における共助に基づく防災活動の取組事例

地域においては、自助・共助の精神に基づき様々な防災活動を実施している。ここでは平成27年度地区防災計画モデル地区事業の支援先における特徴的な取り組みを紹介する。


◇ 南海トラフ地震に備えた事前復興計画作成への取組(高知県高知市下知地区)

当該地区は、南海トラフ地震による津波に備えて、津波避難計画の策定や地区における津波避難訓練などに取り組んできた。地盤沈下や浸水被害は免れないものと想定しているが、地区の事前復興計画は存在していなかった。阪神・淡路大震災や東日本大震災の被災地域での実情を踏まえると、被災後に復興計画を検討するのはとても大変なことであるが、速やかに復興を進めないと若い人を中心に町から出てしまう懸念があることから、当該地区では、「命を守った後の将来の希望が見えなければいけない」と考え、また、「将来の希望から検討を始めることで、命を守る対策に主体的に取り組むことができる」とし、地域住民、専門家及び高知市を交えて事前復興計画を起点とした地区防災計画作りに取り組んでいる。

地区防災計画策定に向けたワークショップの様子地区防災計画策定に向けたワークショップの様子

◇ 地元企業と地域自治会の連携による取組(徳島県鳴門市川東地区・里浦地区)

当該地区は、大塚製薬工場が地区内に立地しており、同社では地域住民の津波発生時の避難場所として工場屋上を解放するとともに、津波避難訓練などを実施してきた。これまでの訓練結果などを踏まえ、地域住民の個々の防災意識を高める必要があることから、津波における避難行動をどうすればよいか個々の住民に意識してもらうための災害時アクションカードを作成して個々の住民の災害時の役割や行動を明確にするとともに、小学校の参観日や婦人会、自主防災会などにおいてワークショップを開催して住民参加型の検討を行っている。

地区防災計画策定に向けた実地訓練の様子地区防災計画策定に向けた実地訓練の様子

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