平成27年版 防災白書|第1部 第1章 第2節 2-2 指定緊急避難場所・指定避難所


2-2 指定緊急避難場所・指定避難所

平成23年3月に発生した東日本大震災においては、切迫した災害の危険から逃れるための「避難場所」と、その後の避難生活を送るための「避難所」が必ずしも明確に区別されておらず、また、災害ごとに避難場所が指定されていなかったため、発災直後に避難場所に逃れたもののその施設に津波が襲来して多数の犠牲者が発生したなど、被害拡大の一因となったところである。

このような教訓を踏まえ、平成25年6月には、災害時における緊急の避難場所と、一定期間滞在して避難生活をする学校、公民館等の避難所とを区別するため、災害対策基本法の改正を行い、新たに「指定緊急避難場所」及び「指定避難所」に関する規定を設けている。

それぞれの概要は以下の通りである。

(1)指定緊急避難場所

指定緊急避難場所とは、津波、洪水等による危険が切迫した状況において、住民等が緊急に避難する際の避難先として位置付けるものであり、住民等の生命の安全の確保を目的とするものである。

災害対策基本法では、市町村長は、防災施設の整備の状況、地形、地質そのほかの状況を総合的に勘案し、必要があると認めるときは、災害時の円滑かつ迅速な避難のための立退きの確保を図るため、一定の基準を満たす施設又は場所を、指定緊急避難場所として指定しなければならないものとされている。

なお、消防庁においては、指定緊急避難場所の指定状況に関する調査を行っており、平成26年10月1日現在の状況は図表1-1-10の通りである。

図表1-1-10 指定緊急避難場所の指定状況図表1-1-10 指定緊急避難場所の指定状況
(2)指定避難所

指定避難所とは、災害の危険性があり避難した住民等を災害の危険性がなくなるまで必要な期間滞在させ、または災害により家に戻れなくなった住民等を一時的に滞在させることを目的とした施設であり、市町村が指定するものである。

東日本大震災において、多数の被災者が長期にわたる避難所生活を余儀なくされる状況の中、被災者の心身の機能低下や様々な疾患の発生・悪化が見られたこと、多くの要配慮者が避難所のハード面の問題や他の避難者との関係等から自宅での生活を余儀なくされることも少なくなかったことなどが課題となった。

このような教訓を踏まえ、平成25年6月に災害対策基本法を一部改正し、災害の発生時における被災者の滞在先となるべき適切な施設の円滑な確保を図るため、同法第49条の7に市町村長による指定避難所の指定制度を、また指定避難所のうち、同法施行令第20条の6第1項第5号に福祉避難所の指定制度を設けるとともに、指定避難所における生活環境の整備等に関しては同法第86条の6及び7に、地方公共団体等が配慮すべき事項が規定された。

また、災害対策基本法改正により新たに避難所における生活環境の整備等が規定されたことから、平成25年8月には、避難所における平常時の対応・発災後の対応として取組を進めるための参考として、「避難所における良好な生活環境の確保に向けた取組指針」を策定し公表した。

平成26年度においては、これらの法改正及び取組指針を踏まえた避難所運営等の取組を推進していくために、市町村が取り組んでいる避難所及び福祉避難所の運営等の取組を推進していくための実態調査を実施し、HPへの掲載、都道府県及び市町村へ周知を行った。また、平成26年5月に開催した災害救助法等担当者会議においては、都道府県等の防災担当者等や福祉担当者を対象として取組指針等を説明するとともに、先進的な取組事例の紹介等制度の周知徹底を図った。

図表1-1-11 指定避難所の指定状況図表1-1-11 指定避難所の指定状況

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