(3)企業による東日本大震災における取組と今後の大規模災害に対する備え
東日本大震災においては,企業による様々な被災者・被災地支援活動が行われた。例えば,一般社団法人日本経済団体連合会(以下「経団連」という。)では,支援活動の報告書を取りまとめており,企業による支援活動として次のようなものを挙げている。
・企業・団体から直接又は社員や消費者・顧客への呼びかけによる合計約1,224億円の支援
・企業の本業を活かし,人材・技術・ノウハウ等の様々な要素を組み合わせて,被災地ニーズに即した独自の支援活動の展開
・社員のボランティア活動を支援するため,企業自らによるボランティアプログラムの企画,労働組合と連携した社員へのボランティア参加呼びかけ,震災を契機としたボランティア休暇制度の拡充・新設,業務扱いによるボランティア派遣等
また,実際の支援活動の展開に当たっては,国,地方公共団体,NPO・NGO等と連携・協働が行われた。経団連の会員企業が救援物資の提供に当たって,国や地方公共団体との情報交換や調整を図ったことにより,地方公共団体やNPO・NGOの協力を得ながら被災者へ確実に届けることができた事例が報告されている。
さらに,経団連では,平成24年3月に提案として「災害に強い経済社会の構築に向けて〜企業・経済界の取組と行政に求められる対応〜」を取りまとめている(図表1-2-18)。
企業・経済界と行政の連携・協働を深化・拡大させていくためには,各主体相互の理解と具体的な取組を着実に進めていくことが必要である。