(6)雇用の確保


(6)雇用の確保

現在の雇用情勢については,平成24年3月の完全失業率が4.5%,有効求人倍率が0.76倍であり,情勢判断は「一部に持ち直しの動きがみられるものの,依然として厳しい状況にある」としている。

一方,被災地の雇用情勢については,有効求人数は12万人台とかつて無い高水準となっているが,有効求職者数も約14万人と依然高水準に留まったままである。しかしながら,就職件数は昨年比でみると一貫して増加傾向にあり,毎月1万人を超える等順調に推移している。新規求人倍率(平成24年3月)に関しても,岩手県1.28倍(前月差−0.10),宮城県1.75倍(前月差−0.15),福島県1.30倍(前月差−0.09)と,全国計の1.19倍(前月差−0.08)と比較すると堅調に推移している。

特に沿岸部では,有効求職者数が増加している。また,女性の求職者数が男性よりも多く,増加率も高くなっており,逆に建設業・土木業等では求人件数が求職者数を上回っているものの未経験者が就職困難である等のミスマッチが見られることから,今後は,雇用機会の確保と職業間をまたぐような就職の支援も重要となってくる。

また,雇用保険受給者実人員は,平成24年3月時点で5万3,730人(昨年比79.5%増)と高水準に留まっている中,失業給付支給終了者が1月中旬から順次発生しており,雇用支援の充実は喫緊の課題である。

震災後,政府としては,被災者の雇用の維持・確保や,雇用創出基金等も活用し,復旧事業等を通じた雇用創出等を推進してきた。具体的には,被災地の就労支援・雇用創出の総合対策として,「『日本はひとつ』しごとプロジェクト」において,当面の緊急対策をフェーズ1として,平成23年度第一次補正予算や法律措置による総合的な雇用対策をフェーズ2として,さらには本格的な雇用復興に向けて,第三次補正予算・税制改正措置等での対応をフェーズ3として取りまとめた。雇用創出基金事業(震災等緊急雇用対応事業)により,被災3県でこれまでに3万2,000人超(平成24年3月末時点)の雇用機会が創出された。

今後は,被災地の本格的な安定雇用の創出を図るため,「『日本はひとつ』しごとプロジェクト」により,地域経済の再生復興のための産業政策を実施するとともに,このような産業施策と一体となって,雇用創出基金等を活用した雇用面での支援を推進する。また,被災地の雇用のミスマッチ解消のため,求職者個人の特性・状態に応じたきめ細かな就職支援を行うとともに,職業に必要な技能や知識を習得するための公的職業訓練を機動的に実施していく。

図表1-1-16 「日本はひとつ」しごとプロジェクト フェーズ3 図表1-1-16 「日本はひとつ」しごとプロジェクト フェーズ3の図表

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