2 被災地の復興に向けて
被災地における生活の平常化に向けた取組と並行して今後本格的に取り組まなければならないのは,被災地の復興である。
未曾有の被害をもたらした東日本大震災からの復興に当たっては,被災者,被災地の住民のみならず,今を生きる国民全体が相互扶助と連帯の下でそれぞれの役割を担っていくことが必要不可欠であるとともに,復旧の段階から,単なる復旧ではなく,未来に向けた創造的復興を目指していくことが重要である。このため,被災地の住民に未来への明るい希望と勇気を与えるとともに,国民全体が共有でき,豊かで活力ある日本の再生につながる復興構想を早期に取りまとめることが求められている。
このため,政府においては,我が国の叡智を結集し,幅広い見地から復興に向けた指針策定のための復興構想について議論するため,被災した岩手,宮城及び福島の各県知事や有識者からなる「東日本大震災復興構想会議」を設置(平成23年4月11日閣議決定)した。同会議は,5月10日に,「復興構想7原則」を決定した上で,この7原則に基づき,復興の「青写真」となる「提言」の策定に向けて精力的な議論を重ねているところである。
さらに,東日本大震災からの復興の円滑かつ迅速な推進等を図るため,復興の基本方針,復興の推進等を担う新たな国の行政機関等について定める基本法の整備が進められている。