国際復興支援プラットフォーム(IRP)



2−3 国際復興支援プラットフォーム(IRP)

国連防災世界会議で採択された兵庫行動枠組において,災害リスク軽減のための優先すべき課題として,災害復興過程における災害予防の観点の取り込みの必要性が位置づけられ,このための国際支援の枠組の強化を図ることが盛り込まれた。

兵庫行動枠組(抄)

戦略目標(C)

「被災したコミュニティの復興に際し,リスク軽減アプローチを緊急時の備え,応急対応,復興プログラムの設計,実施に計画的に取り入れる」

行動の優先順位4(ii)(H)

「災害リスク軽減対策を災害後の復旧・復興過程に盛り込み,専門技術,知識,教訓の共有を通じて長期的な災害リスクを減少させるための能力向上など復興段階に活用する」

これを踏まえて,2005年5月,我が国をはじめUNDP,UN/ISDR,UN/OCHA,ILO,アジア防災センター,世界銀行,IFRCなどの機関の連携により,より良い災害復興のための国際支援の枠組である「国際復興支援プラットフォーム(International Recovery Platform:IRP)」の活動を展開していくことが確認され,兵庫県がHAT神戸(神戸東部新都心)に活動の拠点を提供し,兵庫行動枠組に基づく国際的な復興支援の活動が開始された。

IRPは,被災後の円滑なよりよい復興を支援するためのネットワークと枠組の充実を図ること,復興に関する教訓の発信や復興に向けた共通手法・仕組みを開発すること,被災後の復興計画・構想策定に助言や支援を行うこと,より長期の開発計画と確実に連携しながら各国の復興への対応力を高めることなどを目的に活動を行っており,年1回の国際復興フォーラムの開催や復興事例データベースの作成等に取り組んでいる。

2009年度においては,内閣府,兵庫県,アジア防災センター等の共催により,2010年1月16日に兵庫県神戸市において『国際復興フォーラム2010』を開催した。本年は「しなやかな復興から持続的発展へ」をテーマに,復興過程において地域が直面する今日的な課題の解決とともに,将来にわたる地域の持続的発展の実現に向けた方策について活発な議論が交わされた。

復興事例データベースについては,IRP事務局において,1984年以降の約30の主要災害を対象に整備されつつあり,近年発生した災害の幾つかについては,分野ごとに具体的な復興事例の分析を行っている。また,UNDPの支援・協力のもと,これらのデータを活用して,9分野(住宅,環境,生活復興,ガバナンス,社会基盤,ジェンダー,健康,心のケア,地球温暖化対策)にわたる分野別復興ガイドラインの作成を進めている。


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