6 火災対策



6 火災対策

(1)火災に関する一般的研究

消防庁においては,火災の予防,警防に関し次の研究を行った。

a 火災原因調査技術の高度化に関する調査研究

特異火災事案に係る火災原因の調査を実施するとともに,火災原因調査技術について一層の高度化を図るため,現場調査に必要な調査用資機材の性能・機能を調査するとともに,サンプルの採取・分析方法,火災前の状態の再現と火災現象の再現の方法,原因の推定又は特定を行う手順等について体系的に研究を行った。更に,火災原因調査に活用可能な科学技術等についての調査研究を行った。

(国費 32,585千円)

b 過密都市空間における火災時の安全確保に関する研究

地下施設,超高層ビル,大規模市街地等の過密都市空間における円滑かつ効果的な消防活動を支援するため,これら過密都市空間における火災の進展,煙流動及び火災環境等の予測手法の開発並びにより効果的な消防活動を行うために必要な技術についての研究を行った。

(国費 53,884千円)

c ナノテク消防防護服の要素開発及び評価手法の開発に関する研究

地下施設,超高層ビル,大規模市街地等における火災等の環境に耐えて,安全かつ効果的な消防活動を行うため,消防防護服にナノ素材,ナノコーティング,ナノフィルター等を活用する場合の要素開発を行うとともに,ナノテク消防防護服に求められる耐熱性能,快適性,運動性能など様々な性能機能の評価方法についての研究を行った。

(国費 12,181千円)

d 特殊災害に対する安全確保に関する研究

リサイクル資源化施設等の特殊施設の火災等災害時における安全かつ効果的な消防活動を行うため,特殊な施設・環境・原因による火災等の性状の把握と消火方法を確立するとともに,消防隊員の安全確保及び負担軽減に資する支援機器の開発を行った。

(国費 53,798千円)

e 化学物質の火災爆発防止と消火に関する研究

新たな危険性物質やリサイクル資源(新危険性物質等)の火災爆発危険性を把握するため,蓄熱危険性,自然発火危険性,爆発危険性等についての評価手法を開発するとともに,化学物質の漏えい事故や火災事故に対応するため,タンク火災や漏えい油火災の消火及び再着火防止技術等について研究を行った。

(国費 45,631千円)

(2)消防防災科学技術研究推進制度(競争的研究資金制度)の促進

消防庁においては,消防防災科学技術の振興を図るため,消防防災技術に係る競争的研究資金制度により,産学官の連携,地方公共団体における研究等,消防防災科学技術に係る総合的な研究を積極的に促進した。

(国費 349,502千円)

(3)消防の技術に関する総合的な企画立案

消防の科学技術の現状や今後の動向を踏まえることで,消防の施策を科学技術的な側面から支援し,予防行政と防災行政の円滑化に資する政策研究を推進した。

(国費 33,330千円)

(4)森林火災に関する研究

独立行政法人森林総合研究所においては,人工衛星を利用した林野火災の危険度評価システム及び早期発見・通報システムの開発を行った。

(5)防災都市づくりの実効性向上のための密集市街地の把握と改善支援技術の高度化

独立行政法人建築研究所においては,災害危険度判定などに必要となるデータの効率的整備手法の開発,及び防災対策への住民の合意形成に活用できる防災対策のシミュレーション・評価技術を開発として,防災性能の把握や評価のための技術的手法とデータの関係についての整理・検討などを実施した。


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