3−7 平成19年台風第11号



3−7 平成19年台風第11号

(1) 災害の状況

9月13日9時に南大東島の南東海上で発生した台風第11号は,発達しながら北西に進み,14日には非常に強い勢力となり沖縄本島地方の近海を通過し,15日から16日にかけて東シナ海を北上,16日夕方には朝鮮半島南端に達した。その後17日9時には日本海西部で温帯低気圧に変わった。

台風が接近した久米島では15日に最大瞬間風速が南の風62.8m/sと観測史上第1位を記録した。また,台風の影響で,暖かく湿った空気が流れ込んだ九州から東海地方にかけての太平洋側では大雨となり,13日から17日にかけての雨量は,高知県いの町本川で579ミリ,三重県大台町宮川と大分県佐伯市宇目で397ミリ,宮崎県延岡市延岡で361ミリなどとなった。

更に,前線と台風第11号から変わった低気圧の影響で,東北地方は15日夜から雨が続き,大雨となった。15日から18日までの雨量は,岩手県花巻市豊沢300ミリ,秋田県仙北市鎧畑で289ミリ,青森県新郷村戸来で216ミリなど,9月の月間平均雨量を超える大雨となった。

この台風により,死者3名,行方不明者1名,負傷者7名,住家全壊19棟,住家半壊239棟,住家一部破損123棟,床上浸水401棟,床下浸水1,053棟などの被害が発生したほか,最大42,916名に避難指示・勧告が出された。

土砂災害については,土石流1件,がけ崩れ13件が発生した。

河川については,米代水系米代川で計画高水位を超え,2水系3河川ではん濫危険水位(危険水位)を超えたほか,1水系1河川で避難判断水位(特別警戒水位)を,3水系4河川ではん濫注意水位(警戒水位)を超え,各地で浸水被害等が発生した。

ライフライン関係においては,東北・沖縄電力管内で延べ約13,000戸が停電となったほか,上水道については秋田県,沖縄県等で6,626戸が断水した。電気通信関係では,沖縄県等で携帯電話基地局13局が停波した。

道路については,県管理道路等37区間で通行規制が行われた。鉄道については,全国各路線で雨量規制等のために運休が発生した。

公共土木施設では,河川24か所,砂防施設等1か所,道路(橋梁を含む)6か所,港湾18か所,公園1か所に被害が発生した。

農林水産関係では,農地726か所,農業用施設866か所,治山施設3か所,林道施設421か所に被害が発生した。

文教施設では,国立学校施設2校,公立学校施設19校,社会教育・体育,文化施設等1施設,文化財等4件で被害が発生した。

社会福祉施設等では,8施設に被害が発生した。

医療施設関係では,2施設に被害が発生した。

(2) 国等の対応状況

適用日を9月17日として,秋田県が北秋田市及び能代市に対し,災害救助法を適用した。

また,適用日を9月14日として沖縄県は久米島町に対し,適用日を9月17日として秋田県は北秋田市に対して,それぞれ被災者生活再建支援法に基づく支援金支給制度を適用した。

各府省の対応は, 附属資料2 のとおり。


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