7 危険物災害対策
(1)危険物災害の防止に関する研究
a 危険物施設の安全性向上に関する研究
消防庁においては,危険物施設の安全確保のため,東海地震等の巨大地震発生後,すみやかに石油タンクのスロッシングなどによる異常・被害状況を予見診断するシステムの研究開発を行うとともに,経年劣化が予測される石油タンクの火災・漏えいのリスクと地震発生時の安全性を評価する手法を研究し,漏えい等の危険性のあるタンクに対する効果的な対策を行う手法を確立する。
b 危険物施設に関する腐食・劣化評価手法の開発・導入環境整備
消防庁においては,危険物施設における腐食に起因する事故の増加を踏まえ,設置環境の腐食しやすさに応じた腐食防止対策及び,腐食した場合における継続使用方策について調査・検討を行う。
c 新技術・新素材の活用等に対応した安全対策の確保
消防庁においては,ETBE(エチル・ターシャリー・ブチル・エーテル),バイオエタノール等の製造,移送,貯蔵及び取り扱い時における安全対策について調査・検討を行う。
d 危険物の安全を確保するための技術基準の整備
(a) 屋外タンク貯蔵所の余寿命予測に基づく解放検査周期に関する調査検討
消防庁においては,屋外タンク貯蔵所の腐食要因等についてのデータを収集・解析し,現在の安全性を確保したうえで保安検査周期の延長について調査・検討を行う。
(b)危険物施設の津波・浸水対策の検討
消防庁においては,大規模地震に伴う津波,浸水による危険物施設への被害低減のための対策について調査・検討を行う。
(2)爆発防止等に関する研究
独立行政法人産業技術総合研究所においては,特に,容器に充填された爆発性物質(火薬類,DME,水素等)を対象に,それらが爆発した際の爆発威力の評価法,その無害化技術の開発及び爆発現象を数値モデルにより再現できる計算コードの開発を行う。