１１　地盤沈下対策事業

１１　地盤沈下対策事業

（１）地盤沈下対策事業等

農林水産省においては，次の事業を実施した。

ａ 　地盤の沈下により低下した農用地，農業用施設の効用の回復を図るため，緊急に対策を必要とする地域に重点を置き，農業用用排水施設　を整備するなどの事業を実施した。

（事業費　5,943,032千円／国費　3,193,166千円）

ｂ　地下水調査（保全調査）
　農業用地下水利用地帯において，地下水位低下，水質劣化，地盤沈下等の地下水障害状況の把握，障害発生機構の解明及びその対応策の検討を行う調査を実施した。

（国費　70,600千円）

（２）地盤沈下防止対策事業等

経済産業省においては，次の事業を実施した。

ａ　地盤沈下防止対策工業用水道事業
　工業用水法では地盤沈下等の著しい地域を政令指定し，一定基準に不適合な工業用井戸からの地下水揚水を制限しているため，地下水に代わる水源として工業用水道の整備を推進することとし，建設１事業及び改築８事業に対し補助した。

（事業費　3,620,644千円／国費　770,000千円）

ｂ　地下水利用適正化調査
　地下水障害の問題に有効かつ機動的に対処するとともに，その未然防止を図るため，１地域において調査を実施するとともに，既調査地域について，地下水位の観測調査を行った。また，全国各地に設立されている地下水利用対策協議会に対する指導の拡充を図るため，自主規制の効果等に関する調査を行った。

（国費　36,871千円）

ｃ　地下水位観測調査
　工業用水法に基づく指定地域の規制等による効果を測定するため，観測井により，地下水位等の観測調査を実施した。

（国費　4,357干円）

ｄ　地域別工業用水使用合理化指導調査
　水需給のひっ迫化や地盤沈下等地下水障害の防止のため，地域別に工業用水使用合理化指導調査を実施し，工業用水使用合理化指導準則の策定地域に対する指導を行った。

（国費　5,689千円）

ｅ　業種別工業用水使用合理化基礎調査
　技術革新の進展等による各業種の質的変化及び先端産業の新展開に適切に対処するため，水使用合理化に関する基礎調査を実施した。

（国費　6,824千円）

（３）低地対策河川事業等

国土交通省においては，次の事業を実施した。

ａ　低地対策河川事業等
　29地区において，地盤沈下による内水被害を防除するため，排水機場の設置等を実施した。

（事業費　23,905,000千円／国費　8,050,000千円） *

※ * は， 第５章１−２　ｂ　都市河川改修事業 の内数である。

ｂ　地盤沈下対策調査
　河川管理施設の沈下対策を検討するため，水準測量を実施した。また，地盤沈下の著しい地域について，地盤沈下対策関連として，地下水から河川水への水源転換等のためのダム建設事業等を実施した。

ｃ　地下水保全管理調査
　地下水を適切に保全，管理し，地盤沈下等の地下水障害の防止施策の立案に資するため，全国の一級水系の河川近傍において，観測井を利用して地下水の水位及び水質の測定を継続実施するとともに，水循環系再生構想・施策の評価手法の検討調査を実施した。

（国費　38,704千円）

ｄ　地盤沈下調査関連水準測量
　国土交通省国土地理院においては，主要地盤沈下地域７地区において水準測量を行い，地方公共団体の行う地盤沈下調査結果と併せて各地域の地盤沈下実態を明らかにした。

（国費　16,042千円）

（４）地下水対策調査

国土交通省においては，濃尾平野，筑後・佐賀平野及び関東平野北部について地盤沈下防止等対策要綱に基づく対策を推進したほか，各要綱の見直しに向けての調査，かん養等における地下水メカニズムに関する調査，解析及び今後の地下水の保全・利用方針の検討を実施した。

（国費　44,911千円）

（５）地盤沈下対策調査

環境省においては，工業用水法及び建築物用地下水の採取の規制に関する法律に基づく地下水採取規制の推進のため，地盤沈下対策再評価検討調査を実施し，現行制度の点検を行った。

（国費　16,958千円）