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第4章 世界の自然災害と国際防災協力 1−1世界における最近の自然災害



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第4章 世界の自然災害と国際防災協力

1世界の自然災害の状況

1−1世界における最近の自然災害

2006年4月以降に世界で発生した主な自然災害は表4−1−1のとおりであり,そのうち被害の大きなものは次のとおりである。

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表4−1−1 2006 年4 月以降に起こった主な自然災害(2007 年4月現在)
 

(1) コロンビアの大雨

コロンビアでは2006年1月2日から6月1日までの雨期に,各地で地すべり,洪水が多発した。人的被害は,死者129人,行方不明者21人,被災者22万1,238人にも及んだ。また1,361戸が倒壊し,1万9,870戸が被害を受けた。
 (注)雨期期間中全体の被害総数。OCHA−GENEVA NATURAL DISASTER BULLETIN−#5では5月1日の大雨について記載があるが,これのみでは定義に該当しない(死者82人,行方不明者14人,負傷者179人,被災者6万1,925人)。

(2) インドネシアの鉄砲水,地すべり

6月18日から3日間にわたり,南スラウェシ州を豪雨が襲った。それに伴い発生した鉄砲水で,人的被害は死者226人,行方不明者10人となり,8,587人が避難した。家屋は,約4,300戸が倒壊し,約1,400戸が被害を受けた。また,学校や農地等にも深刻な被害を被った。

(3) 中国の暴風雨,洪水

中国は7月,8月の台風シーズンに,熱帯性暴風雨や台風,それに起因する洪水に次々と見舞われた。7月の熱帯性暴風雨「ビリス」,「ケーミー」,8月の台風「プラピルーン」及び「サオマイ」によって,大規模な人的,物的被害が生じた。

7月14日の熱帯性暴風雨「ビリス」とこれに伴う洪水により,浙江省,福建省,江西省,湖南省,広東省,広西省で,死者612人,行方不明者208人もの被害が発生した。また2,962万人もが被災した。被災額は33億2,500万ドルにも及んだ。家屋への被害も甚大で,倒壊家屋26万5,000戸,損壊家屋32万戸となった。また,115万8,000ヘクタールもの農地が被害を受けた。

7月25日熱帯性暴風雨「ケーミー」とこれに伴う洪水により,安徽省,福建省,江西省,河南省,広東省で,死者34人,行方不明者75人の被害が発生した。また134万7,000人が避難を余儀なくされ,653万1,000人が被災した。被害額は3億6,700万ドルに達した。

8月3日,台風「プラピルーン」では,広東省,広西省,海南省で,死者80人,行方不明者9人,被災者数は1,000万人,被害額9億ドルを記録した。

8月10日,台風「サオマイ」により,浙江省,江西省,福建省,湖北省で213人が死亡,160人が行方不明となった。174万6,527人が避難し,592万人が被災した。6万1,000戸が倒壊し,37万1,000戸が損壊した。被害額は15億ドルにも及んだ。

(4) インドネシアの地震・津波

7月17日午後3時19分(日本時間午後5時19分),インドネシアジャワ島南部でM7.7(米国地質調査所モーメントマグニチュード)の地震と,それ伴う津波が発生した。死者637人,行方不明者165人,負傷者543人の人的被害があり,避難者は約5万人に及んだ。被害額は約1,750万ドルであった。

これに対し,日本政府は総額約1,300万円相当の緊急援助物資(テント,スリーピングマット,毛布,簡易水槽,浄水器,ポリタンク,プラスチックシート)を供与した。

(5) エチオピアの洪水

7月末,エチオピア東部ディレダワ地域において,大規模な洪水が発生し,死者636人,被災者36万3,658人の被害をもたらした。

日本政府はこの災害を受け,エチオピア政府に対し,約1,100万円相当の緊急援助物資(テント,スリーピングマット,簡易水槽,浄水器,ポリタンク)を供与した。

(6) フィリピン,ベトナムの台風

2006年,フィリピン,ベトナムは台風に相次いで見舞われた。9月から12月までの間,台風「シャンセン」,「シマロン」,「ドリアン」,「ウトア」等,多発したが,中でも台風「シャンセン」,「ドリアン」の影響は甚大であった。

台風「シャンセン」が9月25日から30日にかけて,フィリピンで猛威を振るった。死者213人,行方不明者48人,負傷者660人,被災者約414万人の大きな人的被害をもたらした。また被害額も1億3,000万ドルを超えた。シャンセンはフィリピンを通過した後,翌10月1日にはベトナムに上陸し,死者69人,行方不明者2人,被災者130万人の被害をもたらした。

日本政府はベトナム政府に対し,約2,000万円相当の緊急援助物資(発電機,毛布,テント,浄水器,プラスチックシート)を供与した。

11月28日から12月3日にかけては,台風「ドリアン」が両国を襲った。フィリピンルソン島南部で発生した「ドリアン」により,死者734人,行方不明者762人,負傷者762人の犠牲者が出た。また被災者数は353万6,342人にも上った。被害額は1億900万ドルであった。その後ベトナムに上陸し,死者85人,行方不明者10人,負傷者1,360人,被災者120万人,経済被害4億5,600万ドルもの被害を及ぼした。

日本政府はこの災害を受け,フィリピン政府に対し,約2,000万円相当の緊急援助物資(テント,プラスチックシート,スリーピングマット,発電機,コードリール)を供与し,無償資金協力100万ドル(1億1,100万円相当)を実施した。この無償資金協力は,フィリピン政府の被災者支援プログラムに対する食料支援となるものである。


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