4−1 三宅島の噴火から全島避難まで



4 三宅島噴火災害

 平成12年に発生した三宅島噴火災害については,火山活動は全体として低下傾向にあるものの,平成16年も依然として二酸化硫黄等の火山ガスが放出されており,島民は避難生活を余儀なくされていた。
 このような状況の中,三宅村は,平成16年3月の「三宅島帰島プログラム準備検討会」の最終報告,5〜6月に実施された島民に対する「帰島に関する意向調査」,6月の三宅島火山活動に関する火山噴火予知連絡会統一見解等を踏まえ,7月20日に「島民の帰島の意向を踏まえ,安全対策等を講じた上で,平成17年2月頃に避難指示を解除する」旨の「帰島に関する基本方針」を決定した。これを受け,政府は,村民の方々が円滑に帰島できるよう支援を行う場として,「三宅島帰島対策関係省庁等連絡会議」を設置し,村民の安全確保に向けた対策,基盤整備対策,生活再建に向けた対策など三宅村に対する支援を行うこととした。
 同年9月,三宅村は,帰島に向けての具体的スケジュールや取組みを明らかにした「三宅村帰島計画」等を公表するとともに,島民に対しては住民説明会を開催して,本計画等の内容を説明した。
 平成17年2月1日,三宅村は平成12年9月2日の全島避難指示から約4年半ぶりに避難指示を解除し,帰島の意向を持つ大半の住民が本格帰島期である2月から4月にかけて順次帰島した。

4−1 三宅島の噴火から全島避難まで

 三宅島は,平成12年6月26日に地震が多発,「噴火のおそれがある」旨の緊急火山情報が出され,翌27日には三宅島西方約1km沖で海底噴火が確認された。その後いったん活動は低下したものの,7月4日頃から山頂で地震が増え始め,同月8日に山頂で噴火が起こった。以降,山頂噴火が繰り返され,8月10日,18日には,噴煙の高さがそれぞれ8,000m,14,000mに達する大規模な噴火が発生し,また,8月29日の噴火では,低温で勢いの弱い火砕流が発生した(表1−4−1)

三宅島噴火災害に係るこれまでの経過(その1)

三宅島噴火災害に係るこれまでの経過(その2)

三宅島噴火災害に係るこれまでの経過(その3)

 同年9月からは二酸化硫黄等の火山ガスの大量放出が始まり,1日あたり50,000tを超える二酸化硫黄がたびたび観測され,11月16日には,1日あたり約80,000tの二酸化硫黄が観測された。二酸化硫黄の放出量は,その後低下傾向を示していたが,平成14年秋以降は1日あたり3,000〜10,000t程度と概ね横ばい傾向で推移した。平成16年秋以降はやや少なくなり1日あたり2,000〜5,000tで推移しているが,依然として多い状態が続いている(図1−4−1)
 一方,火山活動の状況を受けて,平成12年8月25日に三宅村の小中高校生の島外避難を決定したのに続き,9月2日には防災関係者を除く全島民に対して島外避難指示が発令され,9月4日までに避難が完了した。

 
三宅島の火山ガス放出量の状況


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