1−2最近起こった主な災害



1−2最近起こった主な災害


 2001年以降に発生した主な自然災害は (表4−1−2) のとおりであり,そのうち被害の大きなものは次のとおりである。

(表4−1−2)2001年以降に起こった主な自然災害(2002年3月現在)

(表4−1−2)2001年以降に起こった主な自然災害(2002年3月現在)
(1) イランの洪水

 2001年8月10日からの集中豪雨により,イラン北東部で多数の死亡者が発生。その後,鉄砲水や地すべりが多発し,洪水も引き起こされ,被害は拡大した。なかでも最悪の被害を蒙ったのは,イラン北部に位置するゴレスタン州である。ゴレスタン州における洪水による直接の被害者は20万人以上にものぼり,うち1万人が家を失った。その他の地域もあわせると,直接・間接問わず被害者は120万人近くまで達し,387の村と4,000もの建物が大きな被害を蒙ったと報告された。2001年8月22日までの調査によると,ゴレスタン州では214人の死亡者が報告され,188人が依然として行方不明であった。
 また,ホラサン州でも数十人が死亡し,セムナーン州とゴレスタン州をあわせると224人強が死亡したといわれている。一方,1万ヘクタールの森林や牧草地が洪水によって浸水し,被害総額はおよそ7,880万米ドルに及んだ。

(2) フィリピンの台風

 2001年11月6日から7日にかけてフィリピン中央部と南部地域に台風第23号Linglingが大きな被害を及ぼした。暴風や豪雨によって引き起こされた鉄砲水などの影響で,184人が死亡,負傷者147名,行方不明者106名という被害を残した。台風による被害者の総計は100万人を超え,20万人近くが避難し,1,119の家屋が倒壊,2,811家屋が損壊し,被害総額は約2,270万米ドルにのぼった。
 フィリピン中央政府は,この災害に対し,社会福祉開発省を通じて,最も被害の大きかった地域における地方自治体の救援運動を援助するため13.6万米ドルを供与し,また農業分野の復興活動を実行する計画について説明した。
 アメリカ国際開発庁(USAID)は,最も被害の大きかった地域の援助物資の調達に対して10万米ドルの援助をフィリピン赤十字社に申し出た。さらに,アメリカ国防総省は救援物資輸送のためC-130航空機を提供し,一方日本政府は28,800米ドルを緊急支援物資購入費用として提供した。

(3) アルジェリアの豪雨

 2001年11月9日夜からの強い雨と風により,アルジェリアの北部,東部のいくつかの町で多大な被害が発生。救助活動もむなしく,次々と被害の報告がなされ,同年11月末現在で死者は751名,行方不明者は170名に達した。
 内務省によると被害総額は300万米ドルにのぼり,これほどの被害は過去20年間で最悪といわれている。

(4) インドネシアの洪水

 インドネシアにおいて,豪雨による地すべり,洪水,鉄砲水などの被害が相次いだ。例年インドネシアでは,10月から3月にかけて雨季となるが,2001〜2002年は被害が例年に比べてひどく,2002年1月下旬から2月にかけて数多くの犠牲者が出た。過去30年間で最大の被害になっているといわれている。
 2002年1月29日から首都ジャカルタを含む複数の地域で豪雨が続き,洪水が引き起こされた。ジャカルタでの57名を含み,全土で142名が亡くなり,4万人余りが避難生活を余儀なくされた。

(5)アフガニスタンの地震

 2002年3月25日夜,マグニチュード6の地震がアフガニスタンの北部バグラン州を襲った。この地震により800人以上の死者,数千名の負傷者,最も被害が大きかったナハリーン地区では,およそ90%の建物が崩壊する被害が生じた。


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