大都市震災対策専門委員会提言
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I.総論
第1 はじめに
戦後の我が国の大都市直下を襲った初めての大規模地震災害である阪神・淡路大震災のさまざまな教訓については、今後の防災対策に十分に活かしていく必要がある。大震災以降これまでに、国、地方公共団体等の各機関においてそれぞれの課題に応じた対策を講じてきているところであり、現在までに得られた大震災の教訓を活かした防災基本計画、地域防災計画等の改訂、新たな施策の検討・実施等がおおむね出揃ってきているところである。
しかしながら、関係する複数の機関が的確な連携を図りながら対策を講じるべき課題については、各機関で講じてきた施策を前提として、さらに各機関の有機的な連携を確保し、事前対策、応急対策等の取組をより効果的なものとするよう、あらためて政府全体としての検討を十分に深めていく必要がある。
特に、都府県の区域を越えて市街地が広域化している大都市地域において大規模な地震が発生した場合には、その被害は甚大かつ広範なものとなるため、国、地方公共団体等の複数の機関が高度な連携を図りながら対策を効果的に実施することが重要であり、あらためて政府全体としての検討を深め、詳細かつ具体の対策につなげていく必要がある。
本専門委員会は、以上のような趣旨を踏まえ、平成10年1月13日付けで中央防災会議に設置され、大都市特有の課題に対応する震災対策のあり方について、これまでに4回にわたる調査・検討を行ったところであるが、その結果を以下の提言として報告する。
本専門委員会としては、今後、各省庁、地方公共団体等の関係機関において、本提言を踏まえた対策の具体化に向けた検討及び施策の推進が図られることを期待するとともに、大都市地域内の住民や企業等においても、本提言を踏まえた取組の推進が図られることを期待するものである。
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1998.6.10 大都市震災対策専門委員会(事務局:E-mail:sececlc@nla.go.jp )