序論 2000年7月に、連邦緊急事態管理庁(FEMA)は、普及版の海岸建設マニュアル(CCM:Coastal Construction Manual)の最新版を発表した。「海岸建設マニュアル:沿岸地域における計画、立地、設計、建設および住棟の維持管理に関する原理と実践」と題する新しいマニュアルでは、沿岸地域の一人から四人家族用住棟に対する自然災害を予防し軽減するため、設計の専門家、州と地方の職員、および建設業者のための最良の実践に関する技術的指針が示されている。主に、独立した一人家族や、棟続きの一人家族用(タウンハウス)および低層(3階以下)の複数所帯向け建物などの、新しい住棟に重点が置かれている。
規制要件も過去10年間に拡大した。州の自治体では、建築基準法規に従うことを求めたり、沿岸地域管理法(the Coastal Zone Management Act)を実施するところが増えている。さらに、より多くの自治体が全米洪水保険計画(NFIP:the National Flood Insurance Program)に参加しており、この中では、とりわけ沿岸部の災害度の高い地域(a Coastal High Hazard Area)に建設される新しい建物の計画書については、設計の専門家の証明を取ることが要求されている。