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※「国土庁防災局」は、2001年より、「内閣府(防災部門)」になりました。
サンフランシスコ湾地域地震発生確率と想定地震
(SAN FRANCISCO BAY REGION PROBABILITY REPORT AND SCENARIO EARTHQUAKES)
 

 被害は、サンホセ市や、大戦後に発達した地域を飛び越して、サンフランシスコ市と、オークランド市に集中した。さてここで、約70年まえのウッド氏の質問への回答状況について検証してみる。

 1988地震発生確率に関するカリフォルニア作業グループは、ロマプリエタ地震地帯をまたぐサンアンドレアス断層の地区を、サンフランシスコ湾地域での大地震発生のリスクが1988年から2028年の30年間に最も高いところと指摘している。

 USGSから1977年に出版された、地震の最高の強さを示す地図は、とくにサンフランシスコ内で被害の程度を地域別に想定し、その正確性が証明された。この地図は、地盤と地表土性に基いて作成されたもの。

 建築分野での各種活動などが、いろいろな面で差はあっても、地震による被害軽減にその進歩が貢献してきた。1940年以降に建てられた家は、1980年以降の古き記念物的大建築と同様良く持ちこたえられる。

 おそらくロマプリエタ地震の最も重要な影響は、それが政府のあらゆる階層での、地震対策と被害軽減に対処する態度を変えたことである。 例えば、カリフォルニア州においては、危険の度合いの最も高いものから高速道路の橋梁構造を強化する運動が地震をもとに始まった。1994年のM6.7のノースリッジ地震がロサンジェルス市を襲った時までには、非常に脆弱性の高かった陸橋は修理が済んでおり、それまでの迅速な、継続した、系統的強化計画の実施が社会へ大きな貢献を果たした。不幸にも工事は完結してなく、後日に強化修理を予定していた高速道路網に少なからず被害が発生した。

 

5.結論

 1989年のロマプリエタ地震は、サンフランシスコ湾地域での、十数年にわたる地震への無関心に終止符を打った。1989年以来、USGSその他の機関による活動が、この地域の地震に対する脅威への理解を深め、地震の危険性への認識を高め、地震による被害を軽減するより効果的対応戦術の立案に貢献した。この10年間、地震は避けられなくても、それが必ずしも大災害になるはずではないとの認識のもと、政府、産業界、個人による計画、実施プログラム、各種活動が非常に活発になってきた。WG99の新地震発生確率報告と付随文書地震シナリオは、積極的に行動している人々に、彼らの行動が正しいことを示して、おおいに勇気づけた。いろいろな対策が実行されてきているが、常に大地震が短期的警告無しに発生する可能性があり、さらに充分な準備が遅滞なくなされなかればならない。WG99による地震発生確率情報が、産業界、政府、及び国民の適切な判断をもたらし、その結果として将来の地震による人的被害、各種被害の減少がもたらせられるであろう。

 

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