企画の視点

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企画の視点


(1)企画にあたっての視点

 大学生世代を中心とする若者たちは、阪神・淡路大震災などでボランティア活動に大きな役割を果たした。しかし、同じ世代の人々であってもボランティア活動に対する意識は個人によって大きく異なるとともに、感受性の高いこれらの世代ではわずかな年齢の違いであっても、意識の相違が大きいと考えられることから、これらの世代の人々のボランティアに対する意識を明らかにし、行政をはじめとする関係機関がどのような対応をとるべきか検討することは有益である。
 このため、若者世代の人々の防災ボランティア活動に対する意識を明らかにするとともに、それらを分析して今後の防災ボランティア関係諸機関の施策に反映できる行事になるよう検討した。

(2)どのような行事にするか

  ボランティア活動に関係の深い機関が実施している行事の例を整理すると次ページのようになる。
これを踏まえて、次の観点から検討を行った。
1.
参加者の「災害時のボランティア活動」に関する意識を把握できること。さらに、それらを集計、分析することによって、今後の防災ボランティア関係行政の推進に寄与できること。
2.
行事の実施及びその過程における検討事項などを整理し公表することで、今後類似した行事を実施しようとする関係機関の施策の推進に寄与できること。
3.
関係機関の行事実施状況を勘案し、新しい行事の提案となりモデルケースとなることが望ましい。
4.
参加者に対して、防災ボランティアへの認識を深めてもらうとともに、参加者を通して各地域などにもその普及効果が期待できること。

(3)どのような人々を対象にするか

 本行事の主な対象は、大学生を中心とした若者世代のボランティア精神を引き継ぐ次世代の人々である。これら「幼稚園児、小、中、高校生」について、行事実施時間内に効果的な活動ができるか、次の観点から検討した。
1.
比較的短時間の行事時間であっても、集団としての協調性などが期待でき、自発的、主体的に活動できること。
2.
主催者が、参加者の意識を集計、分析するため、参加者が自分なりのボランティア活動に対する考え方を持っており、その表明ができること。
3.
参加者の募集にあたって、行政機関、学校等の協力が得られること。
4.
これまでの各機関における調査研究対象、行事への募集対象者などと比較して新規性があること。

 これらの観点から検討した結果、高校生世代を対象とすることにした。これに対して、市町村、都道府県レベルを中心に、高校生世代を対象とした講義、体験型の行事はこれまでも実施されており、高校生世代の中でもボランティアの経験が豊富な人々を対象として高度な学習の機会とするべきとの意見もあったが、広く高校生世代の考え方を把握するという目的を達成するために、参加者に対してボランティア活動の経験を問わないことにした。

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各機関が実施している行事の例
機関名 行事趣旨 主な対象 行事内容 人的規模 備  考
地方公共団体
日本赤十字社
社会福祉協議会
民間ボランティア団体
リーダー及びコーディネーターに対し、 より高度の技術等の習得を目指す ボランティアリーダー 及びコーディネーター グループ研修等を取り入れた 講義形式により知識、技術の習得 数十人程度 全国を対象とした合宿形式の研修もあり
地方公共団体
災害を想定した中で、地方公共団体とボランティア団体との連携を目指す 地域のボランティア団体 防災訓練に地域ボランティア団体と連携することにより、災害時における地方公共団体との円滑な連絡を図ることを目指す 数十人程度 都道府県規模及び市町村規模が多い
日本赤十字社
災害発生直後に必要な救急救命法の習得を目指す 広く一般 救急救命法について実習を取り入れ、いざという時の活動を習得 数十人程度 都道府県単位が多い
全国社会福祉協議会
全国規模でボランティア活動の課題や方向性を検討するとともにフェスティバル形式により交流を図る 全国のボランティア団体等 分科会方式における検討会、全体集会等によりボランティア活動の現状や課題、方向性を探る 数万人程度 都道府県社会福祉協議会、市町村社会福祉協議会においても様々な行事が行われる
民間ボランティア団体
ボランティア活動を実体験することにより、活動における課題の方向性を探る 団体加入者等 施設等を対象にボランティア活動を実際に体験することにより、ボランティア活動者の育成を図る 数人から数十人程度 各団体ごとの活動が多い。なお、被災地ではその活動には炊き出し、訪問など「ふれあい」を重視した活動が多い

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