発表1

グループ名称 高山市上三之町町並保存会
グループの属性 任意団体(町内の人々による) 活動地域 岐阜県高山市内伝統的建造物群保存地区
テーマ 伝統的町並を維持・継承するための町の特性を活かした防災活動
発表者 大野 二郎氏
発表方法 発表者による説明 ビジュアルプレゼンテーション
発表内容

・私達の町には江戸時代後期から明治中期に建てられた伝統的建造物が連なっている。この歴史的にも価値ある美しい町並を維持し、後世に伝えていくため、特に防災に関して10年前から自衛消防
隊を組織し、夜回りを行うほか、防災手引きの配布、防災安全器具や防災用品設置、避雷設備の設置など日々の生活の中での取り組みを進めている。
・町は木造住宅密集地で隣棟間隔が狭いため、自衛消防隊では主に消防車到着までの「初期消火」、及び「類焼防止」活動を行う。また特に積雪の季節には水の確保が第一なので、「耐震貯水槽」を2箇所設置(高山市政記念館前66t、旧図書館広場100t)している。「避難」では、袋小路が多い町屋の造りでは自分の敷地から逃げにくいことが問題なので、固定梯子設置(裏庭から屋根づたいに逃げる)と土蔵間の避難路確保を地元と調整して行っている。「地区防災」としては、高山市では今も多くが使われている「土蔵」の防火帯としての活用を進めている。ただし土蔵は築200年以上と古いため、修理が必要になる。さらに、袖壁や卯建などの伝統的な延焼防止の仕組みを活かすことも含め、木造住宅の修理・修景工事の際に構造の強化や防火対策を併せて行うことにしている。
・私達は1970年代から歴史的町並を守る活動をしてきたが、現在の取り組みの契機は、平成8年4月の大規模火災発生からだ。このときの経験で「早期発見と初期消火しかない」ことを認識した。そこで数棟からなる防火ブロックを構成、各家に自動火災感知器を設置、火災情報ネットワークで結んだ。ある家で作動するとブロック内の住宅に通報され、その家で本物の火災であることを確認するか一定時間何も連絡がない場合、避難警告信号が出される。この仕組みは防犯対策や高齢者の事故・急病時の連絡にも転用できると思う。
・課題としては、若い人が住んでこの町を守っていくための後継者育成、建物の耐震性強化、そして住民と並んで多数訪れる観光客の安全確保対策、の3点である。

資料 配布資料 なし ブース展示 なし

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内閣府政策統括官(防災担当)

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