【区分】
第4期 被災地応急対応期(2週間~3ヶ月)
4-06.都市基盤・サービスの復旧
4.鉄道の復旧
【教訓情報】
02.JR室蘭本線洞爺~長和間で制限付き運転を再開した。
【文献】
◆〔4月〕27日、最後に残された洞爺~長和間が開通、29日ぶりに全線通しの列車が走った。この日、一番列車となる午前4時30分札幌貨物ターミナルを発車した上り広島貨物ターミナル行きの10両編成の貨物9092列車は、新鋭DF200-6号機に引かれ最後部にDD51-1086号機をつけて午前10時13分30秒長和駅を発車、徐行速度の時速45㎞を保ち、午前10時20分に有珠駅を通過、午前10時31分に五稜郭貨物駅発・札幌貨物ターミナル行きの下り貨物9091列車が待つ洞爺駅に到着した。この上下一往復の貨物列車は27・28の2日間運行、連休中は集荷の関係から運休し連休明けから2往復の運行を行った。
そして29日、午前9時4分長万部発東室蘭行きの9479Dを初列車に、東室蘭~長万部間の直通普通列車2往復を運行し旅客列車全線運行も回復した。普通列車は、この他、東室蘭~豊浦間に1往復を運行、これまでの東室蘭~長和間は6往復と長和から東室蘭への下り2本、長万部~洞爺間は4往復となった。これにともなって洞爺~長和間の代行バスは2往復に減便した。[『有珠山噴火 鉄道輸送の挑戦』 JR北海道(2001/3),p.73]
◆有珠山噴火で、不通になっていたJR室蘭線の洞爺−長和間で〔4月〕29日午前、1ヵ月ぶりに旅客列車の運転が再開された。これで、部分運転を強いられてきた長万部−東室蘭の全線を旅客列車が運行。JR北海道は、噴火の状態をみながら今後1日3往復の運転を予定している。通常ダイヤのめどは立っていない。
(中略)
臨時列車は当面、洞爺−長和間で、通常の半分近い速度の時速45キロ前後で減速運転。さらに、洞爺駅や避難指示区域の踏切には、乗客避難用のバス計4台を待機させ、誘導する職員も列車に乗り込むなど、当面の間、万一に備えた対応を行いながらの運行となる。
洞爺−長和間を含む臨時普通列車の全線運行は、午前9時−午後4時までの3往復。この時間帯を外れる臨時普通列車2往復は、これまで通り洞爺−長和間をバス代行運転となる。[『有珠山−平成噴火とその記録−』室蘭民報社(2000/12),p.176]
◆室蘭本線の最後の運休区間である洞爺~長和間に、4月27日貨物列車が運行を再開。しかし、この区間はまだ避難指示区域となっていたため、列車の運行は有珠山の変化が目視できる午前9時~午後4時までに限られていた。その上、運行に関しては現地対策本部との間に次のとりきめがあった。
ア.午前9時~午後4時までの時間内での運行であること。
イ.本社と現地対策本部に情報収集班と通行対策班を設け、それぞれに専任者を配置。
ウ.各列車運行前にレールカートによる線路点検の実施。
エ.列車運転室に保線係員を同乗させ、線路の安全確認を行っての運転。
オ.非常時には前後に運転できるよう、旅客ディゼルカーの前後に運転士配置、貨物列車は後部に運転士を乗せた機関車を連結する。
カ.旅客列車に避難誘導要員を同乗させ、客用避難梯子・ヘルメットを用意。
キ.区域内4カ所の踏切には監視員各2名の配置。
ク.乗客等の避難のため、踏切に避難用バスの配置。
などである。
このように、万全を期した安全対策のもと、4月27日に貨物列車が、29日に旅客列車が全線通しの運行を再開した。[『2000年有珠山噴火・その記録と教訓』北海道虻田町(2002/12),p.384]
◆室蘭本線の最後の運休区間である洞爺~長和間に4月27日、貨物列車が運行を再開。室蘭本線は3月29日以来29日振りに全面開通した。しかし、この区間はまだ避難指示区域となっていた。そのため列車の運行は有珠山の変化が目視できる午前9時~午後4時までに限られていた。[『有珠山噴火 鉄道輸送の挑戦』 JR北海道(2001/3),p.71]
◆有珠山噴火で3月29日から不通となっていたJR北海道の室蘭線が27日、貨物列車一往復の運行で約1ヵ月ぶりに開通した。道内産野菜など約5百トンを積んだ10両編成の上り貨物列車が午前10時すぎ、有珠山山ろくを徐行運転で通過、本州を目指した。[『有珠山−平成噴火とその記録−』室蘭民報社(2000/12),p.169]
第4期 被災地応急対応期(2週間~3ヶ月)
4-06.都市基盤・サービスの復旧
4.鉄道の復旧
【教訓情報】
02.JR室蘭本線洞爺~長和間で制限付き運転を再開した。
【文献】
◆〔4月〕27日、最後に残された洞爺~長和間が開通、29日ぶりに全線通しの列車が走った。この日、一番列車となる午前4時30分札幌貨物ターミナルを発車した上り広島貨物ターミナル行きの10両編成の貨物9092列車は、新鋭DF200-6号機に引かれ最後部にDD51-1086号機をつけて午前10時13分30秒長和駅を発車、徐行速度の時速45㎞を保ち、午前10時20分に有珠駅を通過、午前10時31分に五稜郭貨物駅発・札幌貨物ターミナル行きの下り貨物9091列車が待つ洞爺駅に到着した。この上下一往復の貨物列車は27・28の2日間運行、連休中は集荷の関係から運休し連休明けから2往復の運行を行った。
そして29日、午前9時4分長万部発東室蘭行きの9479Dを初列車に、東室蘭~長万部間の直通普通列車2往復を運行し旅客列車全線運行も回復した。普通列車は、この他、東室蘭~豊浦間に1往復を運行、これまでの東室蘭~長和間は6往復と長和から東室蘭への下り2本、長万部~洞爺間は4往復となった。これにともなって洞爺~長和間の代行バスは2往復に減便した。[『有珠山噴火 鉄道輸送の挑戦』 JR北海道(2001/3),p.73]
◆有珠山噴火で、不通になっていたJR室蘭線の洞爺−長和間で〔4月〕29日午前、1ヵ月ぶりに旅客列車の運転が再開された。これで、部分運転を強いられてきた長万部−東室蘭の全線を旅客列車が運行。JR北海道は、噴火の状態をみながら今後1日3往復の運転を予定している。通常ダイヤのめどは立っていない。
(中略)
臨時列車は当面、洞爺−長和間で、通常の半分近い速度の時速45キロ前後で減速運転。さらに、洞爺駅や避難指示区域の踏切には、乗客避難用のバス計4台を待機させ、誘導する職員も列車に乗り込むなど、当面の間、万一に備えた対応を行いながらの運行となる。
洞爺−長和間を含む臨時普通列車の全線運行は、午前9時−午後4時までの3往復。この時間帯を外れる臨時普通列車2往復は、これまで通り洞爺−長和間をバス代行運転となる。[『有珠山−平成噴火とその記録−』室蘭民報社(2000/12),p.176]
◆室蘭本線の最後の運休区間である洞爺~長和間に、4月27日貨物列車が運行を再開。しかし、この区間はまだ避難指示区域となっていたため、列車の運行は有珠山の変化が目視できる午前9時~午後4時までに限られていた。その上、運行に関しては現地対策本部との間に次のとりきめがあった。
ア.午前9時~午後4時までの時間内での運行であること。
イ.本社と現地対策本部に情報収集班と通行対策班を設け、それぞれに専任者を配置。
ウ.各列車運行前にレールカートによる線路点検の実施。
エ.列車運転室に保線係員を同乗させ、線路の安全確認を行っての運転。
オ.非常時には前後に運転できるよう、旅客ディゼルカーの前後に運転士配置、貨物列車は後部に運転士を乗せた機関車を連結する。
カ.旅客列車に避難誘導要員を同乗させ、客用避難梯子・ヘルメットを用意。
キ.区域内4カ所の踏切には監視員各2名の配置。
ク.乗客等の避難のため、踏切に避難用バスの配置。
などである。
このように、万全を期した安全対策のもと、4月27日に貨物列車が、29日に旅客列車が全線通しの運行を再開した。[『2000年有珠山噴火・その記録と教訓』北海道虻田町(2002/12),p.384]
◆室蘭本線の最後の運休区間である洞爺~長和間に4月27日、貨物列車が運行を再開。室蘭本線は3月29日以来29日振りに全面開通した。しかし、この区間はまだ避難指示区域となっていた。そのため列車の運行は有珠山の変化が目視できる午前9時~午後4時までに限られていた。[『有珠山噴火 鉄道輸送の挑戦』 JR北海道(2001/3),p.71]
◆有珠山噴火で3月29日から不通となっていたJR北海道の室蘭線が27日、貨物列車一往復の運行で約1ヵ月ぶりに開通した。道内産野菜など約5百トンを積んだ10両編成の上り貨物列車が午前10時すぎ、有珠山山ろくを徐行運転で通過、本州を目指した。[『有珠山−平成噴火とその記録−』室蘭民報社(2000/12),p.169]