01.避難生活が続く中で、避難住民にはストレスが溜まっていった。

 【区分】
第4期 被災地応急対応期(2週間~3ヶ月)
4-03.長期避難と避難所生活
3.精神的ストレス
【教訓情報】
01.避難生活が続く中で、避難住民にはストレスが溜まっていった。
【文献】
◆室蘭保健所内に事務局を置く「心のケア班」は、精神科医師、保健福祉士、保健婦、臨床心理士、児童相談所職員ら専門家で構成された約10人が、2班に分かれて活動している。一班は豊浦、長万部の避難所、もう一班は伊達、室蘭などの避難所を担当。巡回や常駐で対応している。
噴火直後の4月1日から活動を始め、18日までにケアを受けた人は延べ303人。全体的な声掛けから始め、4日以後は個別対応を中心にカウンセリング、精神療法などのケアに当たっている。
このうち、噴火以前から精神科などに通院していた患者は2割に満たず、8割以上が噴火を契機に始まった症状。うっとうしい気分の抑鬱(うつ)状態や、悲哀感に陥る人が多いという。
特に、知的面の機能が低下していたお年寄りが、避難所の不安定な環境から問題が顕在化したり、幼い子供を抱える母親が周囲への気兼ねからストレスがたまるケース。自宅に置き去りにしたペットの心配、失業や家屋被害による将来不安など、多様な問題に起因している。[『有珠山−平成噴火とその記録−』室蘭民報社(2000/12),p.147]
◆有珠山の噴火で避難し住民のうち、避難所の医療救護班に体調不良を売った診察を受けた人が、延べ9000人に上ることが道庁のまとめで3日までに分かった。道保健福祉部では「風邪のほか、避難生活のストレスによる不眠や胃腸不良が多い」と話している。
道によると、救護班が設置された3月31日以降、受診した避難住民は1日現在で述べ8972人。うち32人(男性21人、女性11人)が骨折や発熱などで入院した。入院した人で生命にかかわるほどの重い病気の患者はいないという。[『有珠山−平成噴火とその記録−』室蘭民報社(2000/12),p.187]
◆奥尻島や神戸の場合にはほとんどの人が住居の被害や人的な被害という外傷的ストレスを受けており、そこに避難生活という累積的ストレスが加わっていたのに対し、有珠山の場合、とくに初期には住居を含め実質的な被害を受けた人はほとんどおらず、そのストレスは避難生活から生じる累積的ストレスが中心であった。それには、避難生活そのものから来るストレスのほかに、残してきた自宅や畑などの被害への心配や、火山活動の終息の見通しが立たないため、避難生活の長期化への心配から来るストレスが含まれる。[槙島敏治「日本赤十字社の有珠山噴火避難者に対する心理的支援プログラム」『日本集団災害医学会誌』 日本集団災害医学会(2001/8),p.35]
◆避難が行政の避難指示により同時に行われたため、避難者の境遇はほぼ同じであり、ストレスの程度も均一に近いと推測された。(中略)
しかし、時間の経過とともに避難指示が解除になったり、一部避難者に一時帰宅が許可されたりする一方で、自宅や畑などへの噴火の直接被害を受ける避難者も生じて、当初の均一的な状況は崩れていった。[槙島敏治「日本赤十字社の有珠山噴火避難者に対する心理的支援プログラム」『日本集団災害医学会誌』 日本集団災害医学会(2001/8),p.35]

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