04.自身が被災した中で避難所での被災者対応をしていた虻田町職員は、体力の限界に達していた。

 【区分】
第3期 噴火継続対応期(最初の噴火~2週間)
3-02.警戒・避難体制の拡充
2.北海道および自治体の対応
【教訓情報】
04.自身が被災した中で避難所での被災者対応をしていた虻田町職員は、体力の限界に達していた。
【文献】
◆虻田町は、住民の大半が他市町村への避難を余儀なくされている。職員の懸命の努力にもかかわらず、各避難所への関係機関の情報や生活情報、自治体からの情報の伝わり具合は円滑には行かなくなっている。例えば室蘭の避難所には町職員がいない。
虻田住民の避難先は虻田以外に洞爺村、豊浦町、長万部町、室蘭市、伊達市の計19ヵ所。その数は7日に3263人、8日に3579人、9日に3676人と日を追うごとに増加。さらに5千人から6千人が知人や親類宅に身を寄せている。約80人の町職員が各避難所に張り付き、20人が給食や支援物資の対応に当たっている。残る40人が間借りの豊浦町社会館の災害対策本部で電話対応や今後の対応に取り組んでいる。
これらの全職員が避難者だ。避難先の家族と分かれ、多くが社会館に寝泊りしている。寝不足と疲れ。気力、体力も落ちている。ある幹部は「現状の3千人の避難者の対応が限界」と話す。有珠山西側の噴火口は虻田本町地区に向き、避難は長期化の様相を呈している。避難所や避難住民の数が増え、広域に拡散していけば、全体的な状況掌握や連絡調整、避難住民への情報伝達、支援物資の割り振りなどがこれまで以上に必要になってくる。
しかし、自治体の対応能力が限界に達しているのも確か。支庁機能を発揮した道のより主導的な避難所、避難住民対応を求める雰囲気は日増しに高まっている。虻田町の種村潤助役は「職員は140人。1万人が避難している。対応にも限りがあるが、いずれにしても多くの方々の支援と知恵をいただきながら、避難住民を守っていかなければならない」と切実に訴えている。[『有珠山−平成噴火とその記録−』室蘭民報社(2000/12),p.103]
◆「外からの支援が途絶えている。職員の体力も限界に達している。」約3千人が隣マチの豊浦町で避難所生活を送っている虻田町の種村潤助役は1日、中央省庁の代表者でつくる有珠山噴火非常災害現地対策本部で、「国、道の力で町民を助けてほしい」と厳しい現状を訴え、人的、物的な支援を求めた。
虻田町は噴火直後に町内ほぼ全域の約1万人に避難指示が出され、うち約3200人が豊浦町、長万部町内に避難している。各避難所では職員約140人のうち120人が炊き出しをはじめとする避難所の生活支援を当たっており、「不眠不休で体力の限界に達している」と訴えた。
さらに交通機関の分断により、「食料の調達もままならない」と実態を説明。「職員も家に帰れない避難者である」と強く訴え、「避難活動への協力は感謝しているが、長期にわたって安心して生活できる環境の整備にも協力してほしい」と声を大にした。
この要請を受け道は2日、虻田、壮瞥などの被災者支援のため、職員20人の派遣を決めた。[『有珠山−平成噴火とその記録−』室蘭民報社(2002/12),p.57]
◆有珠山噴火で、胆振管内虻田(あぶた)町の特別養護老人ホーム「幸楽園」の入所者と職員が、同管内豊浦町の同施設「幸豊ハイツ」に避難して約2週間。避難した入所者のお年寄りは個室を2人で利用し、職員も仕事場で寝泊まりしているため、みんなの疲労はピークに達している。4月1日から介護保険制度がスタートしたが、避難生活の長期化で制度の運営すら危ぶまれている。[『毎日新聞』(2000/4/11北海道夕刊)]

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