01.火山噴出物が厚く堆積した山腹及び山麓では、住宅・森林・農作物等に被害が発生した。

 【区分】
第1期 有珠山の歴史(2000年噴火以前について)
1-02.1977年噴火災害とその後の対応
2.1977-78年噴火による被害
【教訓情報】
01.火山噴出物が厚く堆積した山腹及び山麓では、住宅・森林・農作物等に被害が発生した。
【文献】
◆テフラが厚く堆積した山麓の住宅の一部は破壊され、収穫直前の農作物や森林も広範囲にわたって被害を受けた。とくに降雨中に降ったセメントミルク状の泥滴は、樹木に粘着して枝や幹を折った。火山灰中には粘土鉱物(モンモリロナイト)が含まれていたため、泥滴はよく粘着し、乾燥後はセメントのように固化して樹木・農作物を枯死させた。(中略)また、山体の表面が厚いテフラに覆われたため、少量の降雨でも泥流(土石流)が発生しやすくなり、泥流災害がおきた。[門村浩・岡田弘・新谷融『有珠山~その変動と災害~』北海道大学図書刊行会(1988/6),p.31]
◆火山噴出物が厚く堆積した山腹および山麓では、住宅、森林、農作物等に被害が発生した。火山灰中には、モンモリロナイトが含まれていたため、降雨中に降った火山灰は、セメントミルク状の泥滴となって、樹木の幹を折った。粘着性が高く、乾燥後はモルタル状に固化し、植物や農作物を枯れさせた。火口原から山腹に火山灰が厚く堆積したため少量の雨で、泥流や土石流が発生し、山麓の温泉街や集落、農地等に被害が発生した。[『昭和新山、有珠山の噴火と災害対策』北海道(1995/10),p.28]
◆降灰は、山麓の住宅を破壊し(全壊8棟、半壊4棟)、広範囲にわたって収穫直前の農作物や森林に被害を与えた。特に降雨中は、火山灰に少量の粘土鉱物が鉱物が含まれていたため、セメントミルク状の泥滴となり、樹林に粘着して枝や幹を折ったし、それが乾燥した後は固化して農作物・森林などを枯死させた。また、有珠山の地表は厚い降下軽石・火山灰堆積物に覆われたため、少量の降雨でも二次的な泥流(土石流)が発生しやすくなり、このため8~9月には西麓で泥流災害が起きた。[小田清「北海道・有珠山噴火の歴史と周辺地域の概要」『開発論集 第71号』北海学園大学開発研究所(2003/3),p.9]

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