【区分】
第1期 有珠山の歴史(2000年噴火以前について)
1-01.有珠山について
2.有珠山の過去の噴火
【教訓情報】
08.1977-78年噴火では、4度の大爆発を含む10数回の噴火があり、二次泥流により死者2名・行方不明者1名が出た。
【文献】
◆1977年8月6日に地震が始まり、7日から山頂でプリニー式噴火が開始した。8月7~9日にかけては噴煙が高度1万メートルに達する大規模な噴火が頻発し、その後も14日まで断続的に噴火が継続、軽石や火山灰が有珠山周辺に厚く積もり、大規模な被害を与えた。その後も、11月16日~1978年10月27日まで水蒸気爆発、マグマ水蒸気爆発が多発した。地震・地殻変動は噴火後も1982年3月まで継続し、山麓では建物・道路・ライフラインに大きな被害が発生する一方、山頂では有珠新山が形成された。噴火後も泥流が頻繁に発生し、死者2名、行方不明者1名を出した。[『2000年有珠山噴火災害・復興記録』北海道(2003/3),p.3]
◆1977~78年噴火は、久しぶりに山頂でおこった。昭和新山が生成してから32年目にあたる1977年8月7日、約32時間の前兆地震のあと山頂の火口原から激しいデイサイトの軽石噴火が始まった。14日未明まで、大小の噴火が断続的に発生した。この第1期噴火で8.3x107m3の軽石・火山灰が噴出し、広鮪囲にわたり市街地や農作物・森林に被害を与えた。噴火後も地震が頻発して火口原の隆起がつづき、11月16日から1978年10月27日まで水蒸気爆発~マグマ水蒸気爆発が多発した。この第2期噴火で計7.5x106m3の火山灰・岩塊などが噴出した。このあとも地震活動・地震変動は1982年3月まで衰えながらもつづき、火口原には約180m隆起した有珠新山(潜在円頂丘)が生まれた。これにともなって隣接する既存の円頂丘はいちじるしく破壊され、また外輪山北東部は外側にせり出し、北麓一帯は地殻変動による大きな被害を受けた。この噴火では、幸い火砕流は発生しなかった。また、住民の組織的避難は噴火の開始後おこなわれたが、直接噴火による人身傷害はなかった。しかし、降雨に誘発された泥流(土石流)で山麓の各地に災害がおこり、このため1978年10月には死者2名、行方不明1名を出した。1977~78年の噴火は、日本では久しぶりにおこったデイサイト質マグマによる活動である。火山活動の観測やメカニズムの解析、さらに噴火の予測と防災という面でも新しい問題を提供した。[門村浩・岡田弘・新谷融『有珠山~その変動と災害~』北海道大学図書刊行会(1988/6),p.234]
第1期 有珠山の歴史(2000年噴火以前について)
1-01.有珠山について
2.有珠山の過去の噴火
【教訓情報】
08.1977-78年噴火では、4度の大爆発を含む10数回の噴火があり、二次泥流により死者2名・行方不明者1名が出た。
【文献】
◆1977年8月6日に地震が始まり、7日から山頂でプリニー式噴火が開始した。8月7~9日にかけては噴煙が高度1万メートルに達する大規模な噴火が頻発し、その後も14日まで断続的に噴火が継続、軽石や火山灰が有珠山周辺に厚く積もり、大規模な被害を与えた。その後も、11月16日~1978年10月27日まで水蒸気爆発、マグマ水蒸気爆発が多発した。地震・地殻変動は噴火後も1982年3月まで継続し、山麓では建物・道路・ライフラインに大きな被害が発生する一方、山頂では有珠新山が形成された。噴火後も泥流が頻繁に発生し、死者2名、行方不明者1名を出した。[『2000年有珠山噴火災害・復興記録』北海道(2003/3),p.3]
◆1977~78年噴火は、久しぶりに山頂でおこった。昭和新山が生成してから32年目にあたる1977年8月7日、約32時間の前兆地震のあと山頂の火口原から激しいデイサイトの軽石噴火が始まった。14日未明まで、大小の噴火が断続的に発生した。この第1期噴火で8.3x107m3の軽石・火山灰が噴出し、広鮪囲にわたり市街地や農作物・森林に被害を与えた。噴火後も地震が頻発して火口原の隆起がつづき、11月16日から1978年10月27日まで水蒸気爆発~マグマ水蒸気爆発が多発した。この第2期噴火で計7.5x106m3の火山灰・岩塊などが噴出した。このあとも地震活動・地震変動は1982年3月まで衰えながらもつづき、火口原には約180m隆起した有珠新山(潜在円頂丘)が生まれた。これにともなって隣接する既存の円頂丘はいちじるしく破壊され、また外輪山北東部は外側にせり出し、北麓一帯は地殻変動による大きな被害を受けた。この噴火では、幸い火砕流は発生しなかった。また、住民の組織的避難は噴火の開始後おこなわれたが、直接噴火による人身傷害はなかった。しかし、降雨に誘発された泥流(土石流)で山麓の各地に災害がおこり、このため1978年10月には死者2名、行方不明1名を出した。1977~78年の噴火は、日本では久しぶりにおこったデイサイト質マグマによる活動である。火山活動の観測やメカニズムの解析、さらに噴火の予測と防災という面でも新しい問題を提供した。[門村浩・岡田弘・新谷融『有珠山~その変動と災害~』北海道大学図書刊行会(1988/6),p.234]