【区分】
第4期 被災地応急対応期(9/4全島避難~平成14年3/12一時帰宅)
4-3.長期避難と避難生活
4.避難生活の問題点
【教訓情報】
10.島では釣りや畑仕事の現役だった高齢者は、避難生活で何もすることがなく、ストレスを溜めていった。
【文献】
◆高齢者の中には、帰島の願いもかなわずに亡くなった人もいる。慣れない土地での団地住まいは高齢の身にとってきびしい。「二階に住んでいるが階段がきつい。できれば一階にかわりたい」と相談してきたT子さんが、翌日には「やっぱりわがまま言ってはいけないと思うから」と泣きながら電話をかけてくる。私は「希望は出してもいいのですよ」と答えるが、取り消してくれと言ってきかない。T子さんは心臓に持病がある。毎日することがないのが何よりもつらい。島では高齢になっても現役で働いていた人が多かった。庭や畑では季節の野菜がみごとに収穫されていたし、釣りの名人も大勢いた。[『三宅島 島民たちの一年』三谷彰(2001),p.53]