北海道南西沖地震教訓情報資料集

【北海道南西沖地震教訓情報資料集の概要】



 災害から教訓を得て今後に生かすためには、まず、実際にどのような事態が発生し、それに対してどのような対応が取られたのか、また、どのような課題があったのか等について把握し、理解することが必要である。
 平成5年(1993年)北海道南西沖地震については、これまでに被害発生対応を中心に、公的機関や専門家をはじめ新聞等の報道機関、民間企業など多くの主体が多分野にわたるさまざまな情報を文献等により発信している。本教訓情報は、平成5年の津波災害から12年半が経過した現状までをこのような文献などから収集し、理解し易いかたちで整理し、取りまとめたものである。
 具体的な編集方針は以下のとおりである。
  • 教訓情報の範囲は、北海道周辺の過去の地震史から地震被害発生期、応急対応期、さらに復旧・復興に至たる課程全般対象としている。
  • 教訓情報は公的記録、学術論文、専門雑誌、一般雑誌、一般書新聞その他の文献の形をとっているものから収集した。
  • 人名の取り扱いについては、原則として、民間人については匿名(○○○○さん等)とし、公務員及び学識経験者についてはそのまま記載した。
  • 教訓情報の記述例は次に示すとおりである。
階層式の記述例
階 層 記 述 例
第3期 地震被害発生期
中分類 3-2.被害の概要。
小分類 1. 津波・火災の概要
教訓情報 01.奥尻島では基本的に西から津波が襲った。。
参考文献 ◆奥尻島では、基本的に西から津波が襲った。青苗地区はまず西から襲われ、引き続き東から襲われ壊滅的な被害となった。島の北端の稲穂地区では北から襲われ大被害を受けた。津波の遡上高(打ち上げ高)は、局所的であるが藻内で31.7mであった。これは沢の奥の値で、沢の入口付近の崖では23m前後であった。10m以上の遡上高は奥尻島の西岸と南岸だけで延長13㎞に及んでいる。地震発生後、津波は藻内地区に4分、青苗地区に4ー5分で到達した。[平成5年北海道南西沖地震・津波とその被害に関する調査研究』石山祐二研究代表者(1994/3),p.5-6]
◆:教訓情報の出典の文献紹介(抜書引用)、◇:教訓情報の出典の文献紹介(参考要旨引用)をそれぞれ意味する。

  • 教訓情報の全体構成は、第1期の北海道南西沖地震被災地区の概要を含め大きく6つのフェーズに分けてあり、具体的区分は次のとおりである
第1期 北海道南西沖地震被災地区の概要

 1-1.震源地周辺の自然環境
  1.奥尻町の地形
  2.檜山支庁管内

 1-2.震源地周辺の社会環境
  1.奥尻町
  2.檜山支庁管内

第2期 事前対応期
(北海道周辺における地震・津波の歴史)

 2-1.日本海中部地震(1983年)
  1.地震の発生状況
  2.奥尻町での被害
  3.奥尻町の住民の認識
  4.奥尻島における行政側の対応

 2-2.釧路沖地震(1993年)
 2-3.十勝沖地震(1952年)
 2-4.三陸沖地震(1896年)
 2-5.三陸沖地震(1993年)
 2-6.その他の概要

第3期 地震被害発生期

 3-1.地震の概要
  1.地震の発生状況
  2.地震の特徴

 3-2.被害の概要
  1.津波・火災の概要
  2.人的被害
  3.建築物の被害
  4.交通機関「の被害
  5.ライフラインの被害
  6.水産・農業・林業の被害
  7.産業施設の被害
  8.公共施設の被害
  9.その他の被害

 3-3.初動体制
  1.政府および国、国際機関の対応
  2.自治体の対応
  3.各種マスコミ・メディア等の対応
 3-4.被災者の行動
  1.避難行動
  2.避難所の開設

 3-5.関係機関等の救援・救助活動状況
  1.警察
  2.自衛隊
  3.海上保安庁
  4.消防機関
  5.日赤
  6.その他

第4期 被災地応急対応期

 4-1.
  1.生活福祉対策
  2.住宅都市対策
  3.衛生対策
  4.農業対策
  5.林業対策
  6.水産業対策
  7.商工労働対策
  8.労働対策
  9.土木対策
  10.文教対策
  11.財政対策
  12.災害警備対策

 4-2.ボランティア活動
  1.ボランティアの種類・活動内容
  2.ボランティアの受入と組織化

 4-3.救援物資
  1.救援物資の受入・仕分け
  2.救援物資の裏に生じた問題

第5期 復旧・復興期

 5-1.復興対策
  1.南西沖地震災害復興対策推進委員会の設置
  2.南西沖地震災害復興対策室の設置
  3.南西沖地震災害復興対策関連予算措置の状況
  4.奥尻再興への第一歩

 5-2.まちづくり
  1.まちづくり復興計画考案の策定とその基本方針
  2.災害復興基金
  3.水産業の振興対策
  4.防災集団移転促進事業
  5.その他

 5-3.義援金
  1.義援金の受入
  2.義援金の配分状況

第6期 第5期以降も続く課題

 6-1.生活の再建
  1.民間住宅の再建・供給
  2.災害公営住宅の供給
  3.雇用の確保
  4.心のケア
  5.市民生活

 6-2.産業・都市の再生
  1.人口の減少
  2.まちづくり
  3.産業・経済の再生
  4.自治体財政

 6-3.その他
  1.防災マニュアル
  2.防災活動体制

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