03.災害後、スーパー「つるや」が進出したことによって被災者の日常的な買物に変化が見られた。


【区分】
第6期 第5期以降も続く課題
6-1.生活の再建
5.市民生活
【教訓情報】
03.災害後、スーパー「つるや」が進出したことによって被災者の日常的な買物に変化が見られた。
【文献】
◆地域住民が親族関係をコアにしたお互い熟知しあう社会関係の網の目を有することによって支えられていた。購入する商品に関しては、親族関係を中心とした関係性の中で、どの自営業者からどのような商品を購入するかがほぼ決まっていたといわれる。同じ商品を扱う自営業が複数存在する場合がある。このような場合、暗黙の了解として、どちらか一方に片寄らない共存共栄の原理、相互依存の原理を尊重するという地域生活のシステムがみられた。親族関係が重複し合う場合についても同様の社会規範が成立し、地域生活における秩序化が保証されてきた。したがって、消費者の側における自営業者の任意的な自由選択、自営業者の側における自由競争の原理は、地域生活における秩序破壊の一因として危倶された。しかし災害後、このような秩序原理が揺るぎ始めている。それは、いくつかの日常品の購入に関する新しい買い物行動においてみられる。一例を示すと、それは、災害後、仮に近くに商店があっても当該の商店から商品を購入しなくなったことであり、親族関係にある世帯が、災害後、自営業を再開したにしても、当該の商店から商品をつねに購入しなくなったことである。これらの新しい現象は、災害後、青苗臨海部の端に進出してきたスーパー「つるや」の存在が大きい。[『北海道南西沖地震に伴う家族生活と地域社会の破壊と再組織化に関する研究』北海道大学文学部(1999/11),p.115-117]

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