03.医療班は、巡回医療を行い幅広い範囲の医療活動を行った。


【区分】
第4期 被災地応急対応期
4-1. 災害応急対策
3. 衛生対策
【教訓情報】
03.医療班は、巡回医療を行い幅広い範囲の医療活動を行った。
【文献】
◆医療確保対策においては、地震発生後直ちに、被災各地の医療施設の被害状況について調査を行うとともに、患者の発生状況及び患者の受入れ状況の把握に努めた。
◆また、災害発生直後の7月13日より陸上自衛隊及び航空自衛隊並びに日本赤十字社北海道支部の医療班が奥尻町青苗地区に入り医療救護活動を行ったが、その活動状況及び現地の状況の把握に努めた。奥尻町青苗地区においては、7月13日以降は主に災害救助法に基づく医療救護活動が行われていたものであるが、日本赤十字社北海道支部を除いては、最後まで医療活動を続けていた陸上自衛隊についても7月31日付けで撤収し、日本赤十字社北海道支部が行う災害救助法による医療活動についても、8月9日付をもって終了となった。
◆しかしながら、この時期の避難住民は、不慣れな避難所生活や、家や家族を失ったことなどから精神的な不安や睡眠不足などのストレス症状を起こす者も多く、8月10日以降もこれら住民の健康管理を含めた医療の確保が必要であると判断し、日本赤十字社北海道支部の協力のもとに被災住民の医療確保のため、引き続き、青苗地区に医療班を派遣することとした。
◆医療班の活動についてであるが、8月10日から8月15日までは避難所となっている青苗中学校、8月16日から9月30日までは、青苗研修センターに仮設の診療所を設置し、そこを拠点として医療を実施したほか、住民の生活を側面から支えるため、他の地区や仮設住宅に出向いて巡回診療を行い、52日間に亘り、幅広い範囲で医療活動を行った。
◆受診患者数は、仮設診療所における患者が延べ932名、巡回診療の患者が血圧測定等を含めると延べ301名となり合計で1,233名に上った。
◆また、派遣人員については、医師1名、看護婦2名、事務職員1名から構成した4名体制の医療班を52日間で11班編成し、実人員で医師12名、看護婦22名、事務職員11名の計45名を派遣した。
◆以上が、奥尻町を中心とした医療班の医療活動状況であるが、特に奥尻町の青苗地区においては、災害発生直後は奥尻地区への道路も寸断されており、地域の被災住民が唯一医療を受けられる手段が派遣された医療班であったこと、また、その後においても、青苗地区ほか5地区の約1,770名の住民に対する目に見える医療提供以外にも、精神状態が何かと不安定な状況において、住民に与えた安心感などこれら医療班の果たした役割は、非常に大きかったものと考える。 [『平成5年(1993年)北海道南西沖地震災害記録』北海道(1995/3),p.36]

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