16.機敏な避難と「逃げたら戻らない」のが鉄則。


【区分】
第3期 地震被害発生期
3-4. 被災者の行動
1. 避難行動
【教訓情報】
16.機敏な避難と「逃げたら戻らない」のが鉄則。
【文献】
◆津波のときは機敏に避難するかどうかが生死の分かれ目になる。しかも、それが実にきわどいところで助かったり、助からなかったりする。云うならば、これは津波と人間との分秒を分ける争い、闘いなのである。したがって津波防災の最も肝心な問題は、単純明瞭だが身を守るために如何にして機敏に避難するか、避難させるかの一点にある。(中略)北海道南西沖地震のとき、震源に近い奥尻島の青苗地区には、震後、数分で津波が押し寄せて来た。東京大学社会情報研究所の広井惰教授らのグループが行った聞き取り調査によると、家が渚に近い人たちでも、それこそパンツ一枚で高台に向かって走った人や、風呂上がりでバスタオルを羽織ったまま家を飛び出して逃げた人、ご主人と二人、まるで短距離競争のようにして走った人たちは、きわどいところで助かっているという。反対に、亡くなった人たちのことについて生存者に聞いたところ、着替えの後、物を探していて逃げ後れたらしい人、車の鍵を探すのに手間取って逃げ後れたらしい人、歩いて避難したり、後れて車で避難したために、波に追いつかれたと思われる人たちの話が多かったという。[『津波の恐怖−三陸津波伝承録』山下文男(2005/3),p.93-95]

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