【区分】
第3期 地震被害発生期
3-4. 被災者の行動
1. 避難行動
【教訓情報】
11.1O年前の日本海中部地震をそのための判断目安にした住民が少なくなかった。
【文献】
◆北海道南西沖地震における緊急時の避難行動の前提は、激甚被災地奥尻町における多くの証言記録にうかがわれるごとく、あまりにも大きな地震の衝撃によって住民が驚愕させられたことであり、住民の不安感・恐怖感・危機感が即、個々人の臨界値を超えたことである。聞き取り調査によると、1O年前の日本海中部地震をそのための判断目安にした住民が少なくなかった。地震の衝撃時、就寝中の住民が多くみられたことに加えて、地震の衝撃とともに停電となったことから、初動の第一次避難行動は、屋内における戸惑いと混乱のなかで屋外に出るという行動であった。地震直後、何が起きたかを理解することができなかったという意見は少なくなかったけれども、戸惑いながら住民は、住宅の2階から1階に降りることに難儀したり、壊れたり倒れたりした家具調度品の足場に難渋しながら屋外に逃れようとした。しかもそれは、ゆがんだ戸をこじ開けて外に出るという状態でった。そうした状況下において、ガスの元栓を締め、安全性を確かめてから屋外に出たという冷静な対処行動がみられた。さらに日本海中部地震の経験から、個人や家族にとって重要な書類をひとまとめに整理して、日頃から常に枕元に置いており、それをもって屋外に逃れたという災害文化が生かされた避難行動があった。これらはいずれも数少ない冷静な対処行動であった。[『北海道南西沖地震に伴う家族生活と地域社会の破壊と再組織化に関する研究』北海道大学文学部(1999/11),p.14]
【区分】
第3期 地震被害発生期
3-4. 被災者の行動
1. 避難行動
【教訓情報】
11.1O年前の日本海中部地震をそのための判断目安にした住民が少なくなかった。
【文献】
◆北海道南西沖地震における緊急時の避難行動の前提は、激甚被災地奥尻町における多くの証言記録にうかがわれるごとく、あまりにも大きな地震の衝撃によって住民が驚愕させられたことであり、住民の不安感・恐怖感・危機感が即、個々人の臨界値を超えたことである。聞き取り調査によると、1O年前の日本海中部地震をそのための判断目安にした住民が少なくなかった。地震の衝撃時、就寝中の住民が多くみられたことに加えて、地震の衝撃とともに停電となったことから、初動の第一次避難行動は、屋内における戸惑いと混乱のなかで屋外に出るという行動であった。地震直後、何が起きたかを理解することができなかったという意見は少なくなかったけれども、戸惑いながら住民は、住宅の2階から1階に降りることに難儀したり、壊れたり倒れたりした家具調度品の足場に難渋しながら屋外に逃れようとした。しかもそれは、ゆがんだ戸をこじ開けて外に出るという状態でった。そうした状況下において、ガスの元栓を締め、安全性を確かめてから屋外に出たという冷静な対処行動がみられた。さらに日本海中部地震の経験から、個人や家族にとって重要な書類をひとまとめに整理して、日頃から常に枕元に置いており、それをもって屋外に逃れたという災害文化が生かされた避難行動があった。これらはいずれも数少ない冷静な対処行動であった。[『北海道南西沖地震に伴う家族生活と地域社会の破壊と再組織化に関する研究』北海道大学文学部(1999/11),p.14]