05.島牧村では7名の尊い命が奪われ、村始まって以来の大災害となった。


【区分】
第3期 地震被害発生期
3-2. 被害の概要
2. 人的被害
【教訓情報】
05.島牧村では7名の尊い命が奪われ、村始まって以来の大災害となった。
【文献】
◆7月12日寝入り端を襲った震災は、村始まって以来の大災害となりました。これ程の惨事は古老の話を聞いても、また古文書等にあたっても確認されず、まさに有史以来の出来事でありました。幸い食事等を過ぎた時刻だったので火災発生は免れましたが、崖下の住宅で就寝していた老夫婦が家を直撃した崩落岩石で、役場職員が緊急連絡中の交通事故で、更には地震5分後の津波で5名の尊い命を奪われ犠牲者の遺族はもとより、全村民が深い悲しみを受けました。老夫婦が亡くなった岩石の崩落が発生した場所は国有保安林でありましたし、そのほかにも国有保安林からの災害の恐れがあるとして、住民が避難したり、応急的な災害対策を要請された箇所も数多くありましたが、村民の声を十分に聞いて迅速に対応頂きました営林支局署に対し心から感謝申し上げます。島牧村は海岸線四十数キロにわたり崖下に集落を形成しております。今後におきましては、この災害データを活用され、地域住民が安心して生活できる環境の整備として、各種治山事業の一層の充実を要望するものであります。[『平成5年7月12日北海道南西沖地震災害の記録』函館営林支局監修(1994/12),p.55]
◆島牧村では、震度五と推定される激しい揺れの数分後に第一波の津波が押し寄せました。住民の話では、第三波が最も大きく、目の前の海が壁のようにそそり立ち、家屋を突き破ってきたそうです。被害は、津波と落石により六名が尊い人命をなくし、一名が行方不明、重軽傷者は十四名を数えました。[『北海道南西沖地震災害復興概況御説明書』北檜山町ほか編(1999/8),p.13]
◆北海道南西沖地震が島牧を襲った7月12日の夜。開村以来の地震と大津波により、7人の尊い命が失われました。縦横の激しい揺れに裏山の岩石が崩れ落ち、就寝中のお年寄り夫婦が、直撃を受けて亡くなりました。また、船をつなぎに行き、一瞬のうちに襲いかかってきた大津波にのまれた人、避難する間もなく引き波にさらわれた人など、今なお1人が行方不明(平成6年12月現在)となっています。津波の破壊力は家屋を瞬時に突き破る凄まじさで、倒壊した家屋等の下敷き、破損した食器等でケガをした人も多く、重傷者を含め十数名が直ちに寿都病院に搬送されました。[『平成5年7月12日北海道南西沖地震島牧村災害記録集』島牧村(1995/3),p.52]

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