世界各地で自然災害が増加しており、持続可能な開発の大きな障害となっています。災害に対する脆弱性を減らし、被害を軽減していくことは国際社会の重要課題の一つです。
毎年、世界では、約1億6千万人が被災し、約10万人の命が奪われるとともに、約400億ドル以上の被害額が発生しています(1970年〜2008年の平均)。また、最近の10年間をみると、1970年代に比べて、発生件数、被災者数ともに約3倍に増加しています。
とりわけアジアでは、約23万人の犠牲者を出した2004年末のインド洋津波災害や約9万人の犠牲者を出した2008年の中国四川大地震等、災害が多発しています。近年(1979〜2008年)の世界全体に占めるアジアの被害状況は、発生件数で世界の約4割、死者数の約6割、被災者数の約9割、被害額で約5割にも及びます。
また、災害による犠牲者の大半が低所得国、中低所得国に集中しており、災害と貧困の悪循環が課題となっています。