中央防災会議「災害教訓の継承に関する専門調査会」(第2回)議事概要について

記者発表資料

中央防災会議「災害教訓の継承に関する専門調査会」(第2回)議事概要について

中央防災会議事務局(内閣府(防災担当))


1.専門調査会の概要

  • 日 時:
    平成15年12月22日(月) 14:00〜16:00
  • 場 所:虎ノ門パストラル新館4階「プリムローズ」
  • 出席者:
    伊藤座長、池谷、尾田、北原、寒川、清水、首藤、鈴木、関沢、武村、平野、藤井の各委員
    上村内閣府参事官、原内閣府参事官、上総内閣府参事官  他

2.議事概要

はじめに、事務局から小委員会での検討状況について報告した。
 その後、各報告書の原案について分科会の主査等から報告を行い、内容等についてご議論があった。各委員からは以下のような意見等が出された。なお、詳細な議事録については、後日各委員の確認を経たのち、公表。

報告書のまとめ方について

  • ○現段階では、災害の事実を整理して記述することに重点が置かれているが、今後、教訓の取りまとめに当たっては、それぞれの分科会や小委員会で、しっかりと議論して内容を詰めていく必要がある。
  • ○江戸時代の大火では、回向院の供養などを通じた被災者の心のケアといった観点など、被災者に焦点を当てた記述も必要ではないか。
  • ○地元の言い伝えには内容が誤っているものもあり、その内容を吟味するとともに、誤りがあれば正すことが必要である。
  • ○報告書ごとに、地元でどのような言い伝えがあるのかということについて、コラム的にとりあげることができないか。
  • ○報告書の内容は事務系の防災担当者を想定しているとのことであるが、学生や一般国民等、対象が異なれば内容は大きく変わる。
  • ○日本の歴史的な災害の教訓は、途上国等海外の国々にも参考になるものと思われることから、外国語(英語等)への翻訳が必要となる。
  • ○外国語への翻訳の際、自然科学系の論文であればそのまま翻訳しても理解してもらえるが、日本の歴史的な災害の教訓に関する報告書となると、その歴史的な背景や風土などにも触れる必要があり、原文自体の見直し・修正が必要となるのではないか。

個別の報告書原案について

  • ○寛文2年近江・若狭地震については、近畿地方でも大規模な地震災害に見舞われたことがあったことを人々に気づいてもらうきっかけとなる点で、取り上げる価値がある。
  • ○東海地震や東南海・南海地震、首都直下地震に対する国民の関心は高く、安政東海地震・安政南海地震や安政江戸地震の報告書取りまとめにあたっては十分議論すべき。
  • ○安政東海地震・安政南海地震では、土砂崩れによる被害についても記述すべき。
  • ○長崎豪雨災害の特性については、「土砂災害」と河川の氾濫に起因する「水災害」という点から記述する方がよいのではないか。
  • ○浅間山の天明噴火の調査体制については、防災の観点を記述できる方をメンバーとして入れるべきではないか。

その他

  • ○人文・社会科学系の研究者と自然科学系の研究者が一堂に会し、議論していくプロセスが重要であり、報告書としてとりまとめるにはある程度時間を要する。
  • ○渇水(東京オリンピック渇水<1964年>、福岡渇水<1978年>等)についても、自然災害の形態の一つとして取り上げることを検討してよいのではないか。
  • ○報告書をどのように活用するかについては、専門調査会や小委員会の場などで議論すべきではないか。
  • ○報告書の刊行については、防災担当者向けに発行する第一段階、一般国民等を対象に編集した上で発行する第二段階があると考えられる。


・次回専門調査会の日程は、2月下旬を目途に調整する。

・内容については、以下の項目について検討する予定。

報告書案

今後の調査の方向性

報告書の活用について

以 上

<問い合わせ先>
内閣府政策統括官(防災担当)付
防災総括担当企画官
石井 晴雄
災害予防担当
主査西潟 政宣
TEL:03-3501-6996(直通)

所在地 〒100-8914 東京都千代田区永田町1-6-1 電話番号 03-5253-2111(大代表)
内閣府政策統括官(防災担当)

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